理由を話す ページ29
「スネイプ先生からよ。これを一錠飲めば、数時間は鼻が効き難くなるんですって。にしても、なんで先生は貴方が鼻が効くのを知ってたの？ 知り合いだったとか？」
その言葉を聞いて「成程」とAは思った。
ダンブルドアを始めとした、信用している数人にAの情報を簡潔にだが話している、とAと土御門は言っていたが、その内の一人がスネイプだったらしい。
「いや、私個人は先生と関わったことはないよ。父さん達が短期留学にホグワーツに来た時の友人だとは聞いてるけど」
返事を返しながら、Aは錠剤を飲み込んだ。鼻がいつもよりも効き難くなった気がする。
「如何、もう大丈夫そう？」
「うん」
アリスはそれを聞いて安心したかの様にため息をついた。
「ところで、如何して普段はあんなミステリアスな立ち居振る舞いをしているのよ」
「……気になるの？」
「えぇ」
「……今夜話すよ」
＊
Aはほんの少し泣きそうになりながら廊下を歩いていた。
相部屋となったアリス・カータウェイに素の自分を見せてしまったからだ。
まぁ、どことなくこうなる予感はしていたが、まさかニンニクの匂いが原因でバレるとは思ってもいなかった。
それでも、素の自分を知ったのがアリスで良かった、とAは内心安堵した。アリスは共に過ごしたのは数日間にもかかわらず、もうすでに気の置けない友人になったからだ。
Aは前世のことなどはぼかしながら『チェンソーマン』の話をした。作中に出てくるマキマと同じ能力を持って生まれたことや、ホグワーツに来た理由など。
アリスは終始ポカンとしていたが、やがてAが語り終えると「応援してるわ」とだけ言って机に課題を広げ始めた。
たったそれだけの反応でも、Aにはそれが有り難く思ったのだ。
「それはそうとして、誰かを一日中演じるのはとても疲れるでしょ。常に気を張らなきゃだし。この部屋にいる時くらいは休んだら？ もう私は素のあなたを知っちゃった訳だし」
「まぁ……うん。確かに」
Aはその言葉に納得して自室の中、もしくはアリスと二人きりの時だけは素の自分でいることにした。
本当は常にマキマの様にしていられることがAにとってはベストだったが、彼女の言葉に甘えることにしたのだ。
続く
お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←介抱
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 73人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
息抜き(プロフ) - 真昼さん» コメント有難う御座います！ 良いですよねぇ、ハリポタとチェンソーマン。 (2023年1月12日 22時) (
レス) id: aff75be4a1 (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 好きな物語がクロスオーバーされていて、嬉しかったです！ (2023年1月12日 17時) (レス) id: 3174c03de1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：息抜き | 作成日時：2022年12月17日 17時
