思い出す 一 ページ3
「こ、此処、此処……」
とある田舎の一本道に、矢鱈と「こ」を連呼する少女がいた。辺りの森林は木を伐採しているのだろう。チェンソーの音が響き渡っている。
「此処、ハリポタの世界かよ！ おまけに私はマキマさんの能力持ち！」
チェンソーの音に負けない程の音量で、少女──Aは叫び声を上げた。
＊
Aは不思議な能力を持って生まれた。陰陽術や呪術、魔法等とは違った類の能力を使用できたのだ。
ある日、遂に彼女の父であるAが、きちんと喋れる程の年頃になったAにその能力は何なのか問いかけた。
「私、自分より程度が下だと思った相手を支配できるんだ」
和室でゴロゴロとしながら漫画を読んでいたAは平然としながらそう答えたが、Aは頭を抱えたくなった。
かくして、AA。六歳にして『支配の悪魔』の能力を危険視され、監視生活が始まる事になった。
＊
監視生活は当たり前だが窮屈なものだった。流石にトイレや風呂の中にまでは付いてこないが、七歳になってマホウトコロに入学した際も監視役がゾロゾロと数名ついてくる。だがそんな生活も、学年が上がる年までは続かなかった。
Aの陰陽師としての善性を試す為にAや土御門が連れて行く任務の先々で成果を残し、更には見つけ次第、即刻死刑を告げられた魔法界の凶悪犯が目の前に現れた時には躊躇いなく相手を殺した(相手の死体は見るも無惨な程になっていたが)。
マホウトコロでも、能力を使用するのはAの友人に対して恨み嫉みで攻撃を仕掛けてきた同級生やら上級生のみ。これは完全に相手の過失だし、Aは相手に傷一つ負わせずに攻撃を止めてみせた。
以上の事から、Aは危険な能力を持っているものの、それを扱い切るに足る善性を持ち合わせているとして、二年生になる目前に監視生活が終わりを告げたのだ。今後の処遇を土御門に一任する事、未成年ではあるが、陰陽師として魔法省に籍を置く事を条件に、だが。
これには友人二人も(三人のみで堂々とオタ活ができる)と喜んだし、少々過保護なAと土御門も大層喜んだものだ。
＊
そんな彼女が前世を思い出したのが、いつも通りマホウトコロから海燕で帰宅して、父に頼まれたお使いをこなしに行く道の途中だった。
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息抜き(プロフ) - 真昼さん» コメント有難う御座います！ 良いですよねぇ、ハリポタとチェンソーマン。 (2023年1月12日 22時) (
レス) id: aff75be4a1 (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 好きな物語がクロスオーバーされていて、嬉しかったです！ (2023年1月12日 17時) (レス) id: 3174c03de1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：息抜き | 作成日時：2022年12月17日 17時
