【黒バス】あ か こ こ ろ ４【赤司征十郎】

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にこにことそう告げたAは、きっと其の催し物が嬉しいのだろう。
毎日バスケを見ている癖に、もっとだ何て本当につまんなく無いのかな。

スポーツに熱中した事が無い梅垣佑香には、其の気持ちがイマイチ理解出来なかった。けれど友人が楽しそうなのはこっちも嬉しいので感情を表に出す事無く彼女に返事をする。



「あたし達も頑張ろっか」

「うん」



何時の間にか伊東は去っていて、先程と変わり無い空間に戻っていた。



本人は多分気付いて無いだろうけど、と目の前の彼女の鼻歌を聞きながら思考を巡らせる。



＿＿＿＿＿＿新聞部に、二学期始まって直ぐ届き速報として真っ先に発行された情報。
「音楽留学から柳原夕実が帰って来た」という事。

一年生の夏に向こうへ渡り、其処の音楽学校でバイオリンの指導を受けながら勉学にも励んでいたと聞く。

彼女のバイオリンの腕は、其の業界では世界規模で既に注目を浴びており、日本では幼少期から天才少女と謳われ続けて居た。

確かに洛山のオーケスラ部は有名だが、海外から引く手数多なのに何故日本に残るのかがあたしには理解不能だった。

元々学力は高く、天才肌だった様で一年生をやり直す事も無く年齢に従い二年生として今は過ごしている。



「梅ちゃん考え事？」



手が暫く止まっていたあたしを心配してか、Aに顔を覗き込まれる。
ううん、気にしないでと液体糊を紙面に転がす。



何故急に柳原夕実先輩の事を思い出したか。



其れは、





＿＿＿＿＿＿彼女が、異様な迄赤司にアタックをしているからだ。






一学期、Aは赤司様ファンクラブの目の敵とされた。彼女の行動のお陰で今は良好(？)な関係を保っているらしい。


其の矛先が、今度は柳原先輩に向かっている。


確かに彼女は外国の影響をまんま受けて来たのか元々の積極性か、今迄に無いアプローチを仕掛けて居た。

昼休みや放課後押し掛け食事に誘ったり、部活も見に行きマネージャー気取りで差し入れをして居るだとか。

ファンクラブの人達から聞いた話だから脚色入ってるだろうけど、って何時の間にあたしは彼女達と仲良く情報交換するまでに成ったんだっけ。

まぁいいや。

とにかく、誰から見ても、





柳原夕実先輩は赤司にぞっこんであった。

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