【黒バス】あ か こ こ ろ ４【赤司征十郎】

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「これより十分のハーフタイムに入ります」




第2ピリオドが終了し、会場はブザーの音を掻き消す程大きな歓声を上げた。老若男女の誰もが続きを待ちきれないと叫び、未だ結果が出て居ないのに興奮の余り盛大な拍手を送る。

其れは私とて同じで、此れから十分も待たなくてはならないのかと時間の経過をじっと待つ。選手には此の休憩が此の上無く重要だ。特に、選手の少ない誠凛は。


「あの火神って何者だよ！？中学の時居たか！？」
「帰国子女らしいで、火神君！もろタイプやわぁ……」
「木吉先輩バスケ復帰したんだな、本当に嬉しいよ。俺あの人マジで尊敬してるから」


偶然か否か私達の班は見事にバスケ好きが集まっている為、自由行動を此の様に過ごす事に誰からも文句は上がらなかった。寧ろ、何時もより遥かに生き生きとして、満足気に試合を分析していた。


「まさか点取り合戦になるとはなぁ……」
「此の儘では明らかに選手層が薄く経験値も少ない誠凛が不利ね」
「どっちも応援するよ、こんなに熱く滾る試合は久しぶりだ」


濃厚な試合に対し、又クラスメイトの評価が高い事ににやける顔を必死に抑える。

誰もが興奮から冷めない中、右隣に座る赤司君だけがただ一人涼しい表情でコートを見下ろしていた。視線の先を追うと、意外にも其れは火神君へと向けられている。

火神君のプレイしている様子は今日が初見だが、並大抵でない事は恐らく会場の全員が感じている筈だ。キセキに挑める程の実力を持ち、持ち前のジャンプ力を活かし緑間君に脅威を与えた事は予想出来なかった。


会話が盛り上がっている伊東君達の会話に参加しようと思い、後ろを振り向こうとした瞬間携帯のバイブが振動した。画面は、桃ちゃんからの新着メールを表示する。





“ミナミン、今来れる？きーちゃんも居るよ！”

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