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「(ミナミン…………?)」



聞き覚えのある渾名を胸の中でゆっくりと噛み締める。確か、それは。


『ミナミン?あぁ、Aちゃんの事だよ!』


A。


自分にとって特別な響きが、脳裏に反芻する。

歩き出そうとした足を止め、彼女を振り返った。



「分かった、情報が入ったら真っ先に送るね!!」



ばいばーいという挨拶を終え、さつきが通話を終了しくるりとターンして俺を見つめた。にやけ切った表情に、きらきらとした瞳が朗報を物語る。
我慢ならない、と彼女は両手の拳を握りながら唇を開いた。




「あのね、洛山高校の修学旅行、東京何だって!」

「…………あ?」

「ミナミンから今連絡有ったんだけどね、班分けが上手く行ったらしくて、赤司君と同じ班何だって!」

「……おいさつき、話が」

「会おうよ!!」




自身の言葉を遮られて提案されたのは、願っても無いもの。一瞬頷きかけた頭をぶるっと振り、駄目だと思い留まる。
そりゃあ彼奴に借りを返してねぇし単純に会いたかったりもする。

だが、




「赤司とは会えねぇよ」



「えっ…………」




吐き捨てる様に呟くと、目の前の彼女が驚いた様に目を見開いた。
急激に態度を変えた事にびっくりしたのか、先程迄の楽しそうな表情は消え、むすーっと頬が膨らんでいる。




「青峰君のバカっ、私一人でミナミンに会いに行くから!!」


「勝手にしろ」




ぷりぷりと肩を竦め、両腕を下におろしたまま手首だけ曲げて彼女は怒りを表現する。俺を練習に呼びに来るという本目的も忘れたまま、捨て台詞を吐いて帰ってしまった。


残された青峰は一人で反対方向に歩き出す。向かう先はスポーツ用具店。




赤司にはまだ会えねぇよ、俺は。

次に会うのは冬だ。

其の時こそ、戦って決着をつけてやる。





密かに闘志を燃やしながら、彼は何処までも澄み渡っている秋の空を見上げるのだった。

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nome(プロフ) - あまねさん» 返信大幅に遅れて申し訳ありません。楽しみにして頂けてとても嬉しいです!更新はのんびりとお待ち下さいm(__)m (2018年3月18日 11時) (レス) id: 981a85eb0c (このIDを非表示/違反報告)
あまね - この作品大好きです(*^^*)更新を楽しみに待っています!! (2017年5月7日 19時) (携帯から) (レス) id: 743e4dcd22 (このIDを非表示/違反報告)
nome(プロフ) - みずあいすさん» そうなんですね!仲間だと知れて心強いです(`・ω・´)私は行きたい大学がありまして、かなり難関なので気合いを入れたくて(笑)お互い頑張りましょう〜!! (2017年4月6日 20時) (レス) id: 1efffa79be (このIDを非表示/違反報告)
nome(プロフ) - こうちゃさん» 繊細……!勿体無いお言葉です、有難う御座います!何時もコメントに励まされておりますm(_ _)mお待ち頂ける事が最大限の励みです……!受験勉強に精一杯挑んで、戻って参ります!! (2017年4月6日 20時) (レス) id: 1efffa79be (このIDを非表示/違反報告)
みずあいす - 私も来年受験生です。辛い……。勉強とか考えてなかったので、正直現実を叩き付けられました、ありがとうございます。幸せなエンドを迎えられることを祈って!頑張ってください! (2017年4月5日 21時) (レス) id: 94c5760bdb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:nome | 作成日時:2016年8月8日 16時

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