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「し〜んちゃんっ」
「其の名で呼ぶなと、何度言えば分かる。高尾」
合流した途端、目の前の此奴はニヤニヤしながら俺を勝手な愛称で呼んだ。
はぁ、と溜息を吐いて歩き出す。
「まぁそう言うなってー。…………で、どうだったん」
「別にどうもこうも無い」
「えぇっ!?其れは無いっしょ……。男女が二人きりで密室に居たんだぜ?もっとこう、ハプニング的な」
「なっ!?轢くぞ!!」
「ちょ真ちゃん、宮地サンの口癖移ってるwww」
全く破廉恥な、と俺は高尾を睨み付けた。
南と話して居て分かったのは、赤司が洛山でも態度を変えて居無い事。
そして、彼女がとても聡明だと言う事だ。
圧倒的な赤司の存在感は、性別年齢性格を問わず多くの人間を恐怖に陥れる。彼に従う、其れ以外の道は無い。
南Aは、不思議な人間だな。
初対面な筈なのに、スラスラと言葉が出た。まるで、旧友の様な。其の安心感の下で、俺は____
「あれ、真ちゃん其れ何?」
「京都土産だそうだ」
「へぇ、Aちゃんからの?」
「嫌、赤司からのだ」
ふーん、と高尾は語尾を落とす。赤司のチョイスねぇ、と直ぐに調子を取り戻した様だが、一瞬見せた暗い表情は見逃さなかった。
此奴も、彼奴に思う所が有るのだろうか。まぁ知ったこっちゃ無いが。
「…………豆腐饅頭?」
「俺も此のセンスに少し驚いているのだよ」
手渡されたのは、赤司のお勧めだと言われた豆腐饅頭。どんな味がするのか見当も付かない。
「……ふっ」
「あ、真ちゃん満足気。満悦したん?」
「あぁ。どうやら彼奴に借りが出来た様だ」
次は何時会えるだろうか。
其れより、最後に交換したアドレスに、どのタイミングで返信すれば良いのだ。
柄にも無くそんな事を考え込む俺を、高尾は不思議そうに見つめて居た。
「あー、俺も洛山見学したかったなぁ」
「断ったのはお前だろう」
「……まぁそーなんだけどさ」
キセキの世代に、容易く割り込めねーつーの。
大袈裟に肩を竦める彼が思っていた事なぞ、俺は知る由も無い。
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nome(プロフ) - 律。さん» コメントありがとうございました!赤司君と絡むのが遅くてすみませんm(_ _)m頑張ります。 (2015年6月16日 20時) (レス) id: 6a7654f1e9 (このIDを非表示/違反報告)
律。 - はじめまして。赤司君とこれからどう関わっていくのか楽しみです。更新無理せず頑張ってください!! (2015年6月14日 17時) (レス) id: f3d528ae0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nome | 作成日時:2015年3月31日 20時