検索窓
今日:3 hit、昨日:24 hit、合計:231,801 hit

040 ページ44

『赤司君って、二重人格だったりし無い?』




「其の正確な答えは、俺には判断し難い」

「うん」

「けれど、俺が感じた違和感が本当なら、そう言う事に成るだろうな」

「…………そっか」




慎重に、言葉を探す様に緑間君は言葉を漏らす。デリケートな問題なのだ、此れ以上深くはつっこまない方が良いであろう。
お茶のお代わりを彼の湯呑みに注ぎ、にこりと微笑む。緑間君はふん、遠慮無く戴くのだよとそっと手を伸ばしながら話を続けた。




「正直、俺は驚いている。彼奴がそう言う素振りを見せたのは、帝光でもバスケ部の一部にだけだ。其れを、お前が見抜くとはな」

「…………まぁ、職業柄?」

「ふん、だとしても凄いのだよ」




丁寧にテーピングされた左手で、彼は眼鏡のブリッジを上げた。
私は曖昧気に頷く。

え、過大評価し過ぎじゃ無いかなぁ。



「だからと言って貴様を認めた訳では無いぞ」

「……はぁ」



ハッと弾かれた様に顔を上げ、緑間君は目を険しくした。
暫く黙って、次に発したのは。





「…………赤司が二人居るのでは無いかと疑って居るのは少数だけだ」

「うん」

「もし良ければ、此れからも奴の側に居て欲しい」

「うん」

「…………何分、《こっち》の赤司は危う過ぎるのだよ。何時、何をしでかすか想像すらつかん」

「…………緑間君でも?」

「あぁ、俺でも、だ」





純粋なお願い。
真剣で、無垢な瞳。真っ直ぐな視線。
其の真摯な態度に、私は真正面から応える。







「其れを決めるのは私じゃ無い。けれど、私は赤司君の側に居るよ」



「……………………お願いする」



「……………………うん」








最上の笑顔を浮かべ、手を胸に当てた。

君を信じよう、とお互い無言で頷く。

其の願い、聞き届けたり。






「じゃあ私からもお願い、良いかな?」

「……何だ?」

「えっとね、____」





こうして、私達の『話し合い』は幕を閉じた。


緑間君を待ち合わせ場所迄送り届け、赤司君から頼まれて居たブツも無事に手渡し完了。

緑間君は、誇らしげに金魚の水槽を掲げながら別れを告げた。
私も、対抗して赤青鉛筆を持ちながら手を振る。









………………周りには、変な目で見られたが。

041→←039


  • 金 運: ★☆☆☆☆
  • 恋愛運: ★★★☆☆
  • 健康運: ★★★★★
  • 全体運: ★★★☆☆

ラッキーカラー

あずきいろ

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした!


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (83 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
230人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

nome(プロフ) - 律。さん» コメントありがとうございました!赤司君と絡むのが遅くてすみませんm(_ _)m頑張ります。 (2015年6月16日 20時) (レス) id: 6a7654f1e9 (このIDを非表示/違反報告)
律。 - はじめまして。赤司君とこれからどう関わっていくのか楽しみです。更新無理せず頑張ってください!! (2015年6月14日 17時) (レス) id: f3d528ae0e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:nome | 作成日時:2015年3月31日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。