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全員、無事に壁までたどり着く。
あとはロープで上まで上ればいい。
「…………あれ？これで全員？」
レイが人数の少なさに気づいた。
そう、足りない。
四歳以下がいない。
「あの子達は置いてく。今は置いてく」
子供達が逃げれば、量より質のここなら出荷は止まる。
それに出荷されるのは満６歳から。
残された時間は二年。
「二年以内に必ず戻る」
予定よりも早く警報がなった。
けど構わない。
ドンの先導で崖と向こう岸にロープを張る。
ハンガーを引っ掻けて、次々と子供達が渡っていった。
…………不可能じゃなかったよ、ノーマン。
ノーマンの"みんな"を連れて逃げ出したい気持ちと、
レイの"絶対"脱獄をさせたい気持ち。
両方叶う。
"全員"で頑張ればできる。
ね、簡単なことだったでしょ？
「どうしよう、エマ…………手が…………」
ジェミマの手が震えてる。
これじゃあハンガーを掴めない。
「大丈夫」
『レイ』
レイがジェミマを抱き上げた。
「大丈夫だ、一緒に渡ろう」
もう大丈夫だと思った。
レイの表情を見て。
優しい、穏やかで決心した顔をしていた。
みんなロープを渡り終える。
初めて踏む外の土。
私はレイに言った。
『ね、レイ。死ぬなんて馬鹿げてるでしょ？』
「…………そうだな。これからは俺が守るよ。みんなを、エマを、Aを」
『守るだけ？』
「…………生きるよ、なんとしても。Aの隣で」
『そうだね。私もレイの側から離れないよ。レイは私がいないとダメみたいだから』
ノーマン。
君が望んだ景色がここにあるよ。
エマだから実現できた景色が。
彼らを守っていかなくてはならない。
「Aならできるよ。だって信じてないんだろ？」
ノーマンがすぐ隣にいる気がした。
私は何も信じていない。
それはこれまでも、この先も。
「Aだから。何も信じていないAだから。みんなが気づかないことにも気づける。みんなを守れる。
けどいつか。Aが信じられるモノが見つれられることを祈るよ」
ノーマンは笑顔で微笑んでいた。
大丈夫、ノーマンのことも信じていない。
ノーマンはきっとどこかで生きてる。
だってそうでしょ？
私は何も信じない。
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レンスイ(プロフ) - 随分前に感想依頼頂いた者です！ とても面白い作品が拝見でき嬉しかったです！ 感想は私の作品で書いてあるので、目を通していただけたら嬉しいです。ありがとうございました！ (2019年5月25日 17時) (
レス) id: 85db579f44 (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - 33話の『エマはニッコリした』を『エマは怪しい笑みを浮かべた』にしたらどうでしょうか？ (2019年3月30日 17時) (レス) id: 297e0956e6 (このIDを非表示/違反報告)
零 - 主人公と誕生日被ってました！この小説ミスが無いし文は読みやすいしで最高ですね！ (2019年3月21日 1時) (レス) id: 1a221874dd (このIDを非表示/違反報告)
まこと - コニーが出荷される日に初めてカロが眠れなかったり、出荷された翌日に食欲がないのと3日も寝込むのはママ視点からしたら怪しすぎる (2019年3月13日 19時) (レス) id: f89bfe1a17 (このIDを非表示/違反報告)
?aksn?(プロフ) - 夢主の誕生日と私の誕生日が一緒で驚きました笑これからも頑張ってください！ (2019年3月10日 13時) (レス) id: e6b7d8f455 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翡翠 x他1人 | 作成日時：2019年1月4日 18時
