異国の街で New ページ34
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12時間を超えるフライトの末，ボストンローガン空港に降り立つと，
街は清々しいほどの快晴で
隣で大きく伸びをしているAが「うーん，懐かしい」と呟いた。
ボストン旅行中にやるべきことの中で，
来春からお世話になるボスへの挨拶と，アパート探しの２つはマストだった。
もちろん，当初は単身用の部屋を探す予定だったんだけど
こっからの成り行きによってはもう少し広い部屋も視野に入れたいし…
なんて，どうにも気がせいて仕方がない。
とは言え，これから１週間もここに滞在する予定なのに，
もし早い段階でフラれでもして，その後気まずく過ごすのも嫌だしなぁと躊躇されて
理由も言えないまま微妙に大きめの部屋を不動産屋に案内してもらってると
一緒について回ってくれてるAが
「こんなに大きな部屋いる？ 翔くんの荷物の量なら要るかなー」なんて
妙に納得してるのを聞いて，なんと言うか，複雑な気持ち。
まあ，部屋に関してはいくつか資料をもらって最終決定はペンディングってことにした。
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ボストンはAが長い間過ごした街だから，
今回の滞在期間のうち半分は俺の計画した，俺の行きたい場所に行き，
もう半分は，Aの行きたいという場所に行こうということにした。
俺のやりたいことリストの中には野球観戦てのがあって
「翔くんて野球好きだったっけ？」なんてAにつっこまれつつ
かつて日本の投手もプレーしていたという有名な球場を訪れた。
「おー！これがかの有名なグリーン・モンスターね！」とはしゃぎ
2人してビールを片手に，残暑残るスタジアムの空気を楽しんだ。
一方，Aが行きたいところといえば，
学生時代に通ったカフェとか，海が綺麗に見えるスポットとか
ガイドブックにも載ってないようなある意味レアな場所ばかりで，
案内してもらいながら俺はかなり得した気分で，すっかりボストン滞在を満喫した。
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残る旅程はあと1日，
明後日は帰国，という夜。
「今夜はちょっと行きたい店があるんだけど，いい？」
少し気合を入れて予約してきた店。
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