旅行計画 ページ24
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「あ，そうだ。荷物さ。どうしてんの？」
「ほとんどは処分して
服とかはおばさんちに置かせてもらってる」
「母親に言って送ってもらおうか？」
「いいの？」
「もちろん。この先冬服だって要んだろ」
「ありがとう」
「でさ。ちょっとこれ見てよ」
PCを手にAの隣に腰を下ろすと
「ん？」と言いながら身体を寄せて画面を覗き込んだ。
触れ合う膝と膝。
ミルクみたいなクリームの匂いがする。
「俺さ，月末に夏休みなんだけどね」
「あ，そうか！そう言ってたね」
「奇跡的にまだ飛行機とれそうなのよ。
ね，一緒にいかね？ボストン」
「えっ…」
「どうせ暇だろ。付き合ってよ。
お前を一人にすんの心配だし」
「いいの？」
「留学のための手続きとかアパート探したりとか？
お前英語得意だし，来てくれたら助かるわ」
「うん」
「その代わり，ホテルは俺と一緒だけどいい？」
「えっ(笑)」
「あっちって基本がツインの部屋じゃん。だからベッドはひとつ貸してやる(笑)」
ちょっと強引かなとは思ったけど
「…ありがとね」
Aは嬉しそうに笑った
その夜，１週間ぶりに2人で外食した
近場の蕎麦屋に行って，しこたま焼酎を飲んだ
Aも，俺が事情を知ったことで
逆にスッキリしたのかいつもよりも楽しそうだったし
俺は俺で，懸念だった夏休み問題が解決して，妙な開放感で酒が進んだ。
いい気分で酔っ払って家に戻ると
そのまま自分の部屋のベッドにダイブ。
Aがシャワーを浴びる水音を微かに聞きながら
あー，俺も着替えないとな…と微睡みの中で考えていた
やがてシャワーの音が消え，代わりにドライヤーの音がする。
Aの生活音を聞くのは心地が良い
従兄弟，なんだよなぁ。と考えると
胃の中に鉛を飲んだみたいに重たくなった。
重たい体を起こし，水でも取りに行くかと考えていたら，
俺の部屋のドアが開いた
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