お隣さん２ ページ17
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「は？
え，何…電話しろってこと？」
「仕事中は難しい？」
「いや，まあ…タイミング見りゃできるけど
何でまた？」
「翔くんに『おやすみ』って言ってもらえたら
ぐっすり眠れる気がする」
「お前さ……夜眠れねーの？」
ここ１週間，夜なかなか部屋の灯りが消えないのを不思議に思っていた
「…少し，怖いの。夜が怖くて」
「A……」
「大したことじゃないの。どうしてもって時は睡眠剤飲んでもいいし。だから心配しないで」
「一緒に寝てやろうか？(笑)」
わざと茶化す風に言ったら，Aも笑ってくれた
「ありがとう。でもやめとく。
だって翔くんて，すっごく寝相悪いでしょ？」
「は？そこ？」
ふふふ，と笑ったAは
「そろそろ寝ようかな。明日も仕事？」
小さく一つ，欠伸をした
「いや，仕事じゃないけど，友達と出かける」
「朝食食べる？」
「いい？」
「いいよ。何時がいい？」
「じゃあ８時で，お願いしまーす」
「はーい。じゃ，おやすみ」
「おやすみー」
Aの姿が消えたところで，もう一本タバコに火をつけた
ふと顔をあげると，隣家との仕切りの向こうに
同じく紫煙が流れるのを見て思わず舌打ちをした
「ニノ？ いんの？」
声をかけたらひょい，と青っちろい顔が覗いて
「あら翔さん，偶然」
あら，じゃねえよ。わざとらしい。
「いつから聞いてた？」
「何それ，人聞き悪いなー。
別に聞き耳なんて立ててないよ？ 勝手に聞こえてきただけ」
「だからいつからだよ」
「えー？ いつって…一緒に寝てやろうか？のあたり？」
「やっぱ聞いてんじゃんかよ！」
「くふふ，断られてたね」
「ちょっ，だからマジでちげーからな！
あいつは親戚の子で，今だけ預かってるつうか！」
「オレ，なんも言ってないってば。
てか，そんな大事な子に一緒に寝ようかはまずくない？」
「だから冗談だってば」
くそー，一番面倒な奴に話聞かれてんじゃん
俺の後悔を尻目に
フハッって笑ったニノは
「ま，頑張って！応援してるよ〜」
ひらひらと手を振って部屋に戻って行ってしまった
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