百八十二匹目 ページ35
『むー……俺はただお気に入りの味方なだけなんだけどなぁ……』
「お気に入り？」
『そー！
お気に入り〜』
訳が解らないといった表情の出水。
そりゃ意味わからんでしょうよ。
『だから実質的には誰の味方でもないし誰の敵でもないんだよ〜』
「いや、どういう事だよ。
俺にもわかるように説明してくれ？」
『んー……』
面倒くさいとその場に寝転がる。
しばらくそのままゴロゴロしていたが仕方がないとその場に伏せて言葉を考える。
『出水は太刀川の仲間か？』
「そりゃ、太刀川さんの隊にいるからな」
この質問には素直に応える出水。
太刀川はあれでもやはり隊長だ。
隊員には慕われている。
『なら、風間は仲間か？』
「ボーダーの仲間であり良き先輩だと思う」
ここで俺は大きく一度、尾を振った。
――君は、俺の言葉を理解するだろうか。
『じゃあ、ランク戦の時は？』
「は？」
『ランク戦の時、太刀川は味方か？』
「太刀川さんは隊の仲間で隊長だからなぁ」
『ランク戦の時、風間は味方か？』
「ランク戦の時は別だ。
風間さんは風間隊の隊長で要注意だ」
『つまるところ敵だろう？』
「まぁ、そうだな」
頷きながらそう言う出水を見て俺は一度立ち上がった。
一度立ち上がって、その場に座った。
『可笑しくはないのか？
都合の良い時は仲間という事だろう？
普段は時に干渉もしないだろうに』
「そうか？
普通じゃないか？」
不思議そうな顔をする出水。
俺は多分、今物凄く悪い顔をしていると思う。
からかうかのように、ゆらゆらと尾を揺らした。
『それが普通なら、人間は何て都合のいい生き物なんだ。
ならば、俺もそれで良いだろう？
だってそっちの方が楽ではないか。
俺は、この組織の決める”
だったら俺の
俺はお気に入りに味方する。
気に入らない奴に手を貸してやらない。
実に単純で明快な
ズイッと出水に顔を寄せる。
出水の目に写った俺は酷く悪い顔をしていた。
『俺は全ての
出水、お前は
その問いの答えは確かであり不確かだ。
明瞭にして不明瞭。
それがその問いの
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アキ - 続きが気になって次々読んでしまいます！これからも頑張ってください！ (2019年3月25日 8時) (
レス) id: 524ee6d04b (このIDを非表示/違反報告)
野良(プロフ) - ミリアさん» お返事の方遅くなりすみません。時間と気力があり次第、リクエストの作品を作らせていただきます！ もっとも、いつになるかはわかりませんが。コメント有難うございます！ また気の向いたときにでも立ち寄ってください！ (2017年9月15日 8時) (レス) id: 93a3181461 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 凄く気に入った作品で面白かったですもし今後他の作品を作る予定があったらワールドトリガーの世界にトリップか転生したKかハイキューか黒バスか銀魂の銀時か高杉の姉か妹の作品が読んでみたいです説明が下手ならすみませんこれからも体にきよつけて更新頑張って下さい (2017年9月7日 18時) (レス) id: 14f5017be6 (このIDを非表示/違反報告)
ちょっとね、隠れたいのよ(プロフ) - 波瑠音さん» コメントありがとうございます！ 物凄くのんびり気の向いたときの更新なのでふと思い出したときにでもまた来てみて下さい！ (2017年6月27日 17時) (レス) id: 6af8be8c4a (このIDを非表示/違反報告)
波瑠音(プロフ) - とても面白いです！これからも続きを読みたいと思ってます！ (2017年6月27日 16時) (レス) id: 6a4ce7bd71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょっと隠れます | 作成日時：2017年5月23日 2時
