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百五十匹目 ページ4

「影針」



一瞬にして数千のラッドの機能が停止した。


――影針

標的の影から針を出現させ、不意を突いて攻撃する技。

相手の位置を正確に把握できていれば、把握できている範囲内のどこにでも攻撃を仕掛ける事が可能。



「よしよし。

そしたら次の地点に移動しよう」



屋根の上を駆け抜け、次の地点に移動する。

流石の俺でも、正確に把握できる範囲には限りがある。

正確でない範囲に攻撃を仕掛けると出動中のボーダー隊員を攻撃する恐れがあるからな。

だから態々正確に把握できる範囲外だった所へ足を運び、再び技を使う。



「――――これで粗方片付いたかな」



ラッドを500匹程残してそう呟いた。

黒い塵が舞うように俺から黒が離れていった。

一瞬だけ元の形に成ったウルフと目が合う。

が、目が合ったのは本当に一瞬で、次の瞬間にはその姿はなかった。


…………誤解がないように言っておくが死んだ訳じゃないぞ、ウルフは。

あれはウルフだが、正確にはウルフの意識だ。

肉体から抜け出た魂が戻っていった、と言う方が幾分か正しいだろう。

……実際はもう一寸複雑なのだが。



「鈴成第一、現着しました」

「!」



その声に反応し、後ろを向きながら後方へ飛び退く。



「容姿は白銀の長髪、小柄の少女です」

「!」



ピョコンッ、と狐の耳が飛び出る。

多分、一緒に尻尾も生えた。


が、特に気にせずもう一度跳んだ。

さっきまで俺の居た場所に着弾する。



「鈴成第一、別名 来馬隊。

正面後方、茶髪のモフモフ……来馬 辰也。

正面前方、バックの切れ目……村上 鋼。

さっきのスナイプは別役太一か」



チッと小さく舌打ちする。



「何しに来やがった、ボーダー。

城戸ちゃんからの命令か?

いや、来馬隊は忍田か?

……まぁ、どうでもいい」



腕が鋭い鎌に覆われる。

軽く構えて威嚇する。



「本部からの命令で、お前を捕縛しに来た」

「へぇ?

捕縛? 俺を?」



喉の奥で笑う。

別役よりも離れてはいるが、ボーダーのB級隊員が少しずつ集まってきているのを感じながら。

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作品ジャンル:アニメ
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アキ - 続きが気になって次々読んでしまいます!これからも頑張ってください! (2019年3月25日 8時) (レス) id: 524ee6d04b (このIDを非表示/違反報告)
野良(プロフ) - ミリアさん» お返事の方遅くなりすみません。時間と気力があり次第、リクエストの作品を作らせていただきます! もっとも、いつになるかはわかりませんが。コメント有難うございます! また気の向いたときにでも立ち寄ってください! (2017年9月15日 8時) (レス) id: 93a3181461 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 凄く気に入った作品で面白かったですもし今後他の作品を作る予定があったらワールドトリガーの世界にトリップか転生したKかハイキューか黒バスか銀魂の銀時か高杉の姉か妹の作品が読んでみたいです説明が下手ならすみませんこれからも体にきよつけて更新頑張って下さい (2017年9月7日 18時) (レス) id: 14f5017be6 (このIDを非表示/違反報告)
ちょっとね、隠れたいのよ(プロフ) - 波瑠音さん» コメントありがとうございます! 物凄くのんびり気の向いたときの更新なのでふと思い出したときにでもまた来てみて下さい! (2017年6月27日 17時) (レス) id: 6af8be8c4a (このIDを非表示/違反報告)
波瑠音(プロフ) - とても面白いです!これからも続きを読みたいと思ってます! (2017年6月27日 16時) (レス) id: 6a4ce7bd71 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちょっと隠れます | 作成日時:2017年5月23日 2時

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