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百六十七匹目 ページ21

――――なんとなく嫌な予感がした。



「さて、仕事も終わってレオの入れてくれたコーヒーも飲み終えたことだし。

遊びに行ってくる!」

「もう夜ですよ」

「いいんだ!」



行ってきまーす。

玄関でそう叫ぶように言い、飛び出す。


狐の姿で警戒区域内を歩き回る。

ちらりとボーダー本部の屋上を見る。

人影が一つ、そこにあった。


――トリオン体みたいだな。ならまぁ、落ちても大丈夫か


そう思いつつ、拭えない不安に足を本部のほうへ向けた。



ゴロゴロと空が唸り声をあげる。


ポツポツと雨が降ってくる。

やがて雨は豪雨となり地に降り注いだ。

空の雄叫びと共に、閃光をあげ雷が落ちる。


足元の水溜まりを、思いきり蹴飛ばした。

白銀の毛皮はびしょ濡れになり、微かな光を銀に反射しはじめていた

手足は跳ね上げた泥で土の色に汚れる。


屋上の人影はトリガーを切っていた。



――嫌な、予感がした。



狐の姿のまま翼を生やす。

地面を強く蹴り跳ばし、飛ぶ。

雨の中を高速で飛ぶ。


その人物は、何かに"腕を引かれる様にして"屋上から身を投げた。



『――――!!!』



間に合え


絞り出したその願いは何物も動かす事なく虚空へと消えた。

翼を広げ急上昇し、翼を畳んで急下降をした。

そうして勢いをつけ、そのままその人物へと突っ込んでいく。

人物のほんの少し下に着いたと同時に翼を広げ急停止する。


トスッと背中に乗った事を確認し、再び羽ばたく。

ミシミシと翼が音を立て痛んだがどうせすぐに治るだろうから気にしない。

屋上まで行き、その人物を背中から降ろした。



『お前は……』

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設定タグ:ワールドトリガー , オリキャラ複数   
作品ジャンル:アニメ
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アキ - 続きが気になって次々読んでしまいます!これからも頑張ってください! (2019年3月25日 8時) (レス) id: 524ee6d04b (このIDを非表示/違反報告)
野良(プロフ) - ミリアさん» お返事の方遅くなりすみません。時間と気力があり次第、リクエストの作品を作らせていただきます! もっとも、いつになるかはわかりませんが。コメント有難うございます! また気の向いたときにでも立ち寄ってください! (2017年9月15日 8時) (レス) id: 93a3181461 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 凄く気に入った作品で面白かったですもし今後他の作品を作る予定があったらワールドトリガーの世界にトリップか転生したKかハイキューか黒バスか銀魂の銀時か高杉の姉か妹の作品が読んでみたいです説明が下手ならすみませんこれからも体にきよつけて更新頑張って下さい (2017年9月7日 18時) (レス) id: 14f5017be6 (このIDを非表示/違反報告)
ちょっとね、隠れたいのよ(プロフ) - 波瑠音さん» コメントありがとうございます! 物凄くのんびり気の向いたときの更新なのでふと思い出したときにでもまた来てみて下さい! (2017年6月27日 17時) (レス) id: 6af8be8c4a (このIDを非表示/違反報告)
波瑠音(プロフ) - とても面白いです!これからも続きを読みたいと思ってます! (2017年6月27日 16時) (レス) id: 6a4ce7bd71 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちょっと隠れます | 作成日時:2017年5月23日 2時

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