百四十九匹目 ページ3
――――バシャンッ
踏み出した足が水を跳ねる。
服の裾が跳ね上げた水を吸い込み、その重さを増して行く。
……もっとも、既に叩き付きに来ている雨によって服はその重量を増しているのだが。
「ゲートオープン、”
唸る様に言い、腕を横に出す。
そのまま指先で独特の文字を宙に書く。
これは簡易的な召喚だ。
魂だけを喚ぶと思ってくれて間違いはないだろう。
その文字を中心として黒い渦が巻く。
『グルルル』
その黒い渦の中から真っ黒な狼が出てくる。
光を飲み込むような黒いに、鮮血の様な、鮮やかな色をした紅い目。
「力、貸してくれるな?」
『この力も俺も、主の物だ。
許可は必要ない。
主の物だ』
その狼は黒い霧となって俺に纏わり憑く。
――――安心しろ。俺はお前を受け入れてやる。
「憑依、黒き獣」
ピョコンと黒い耳が生え、黒い尾が生える。
光を食らう様に黒い色。
感覚が鋭敏になる。
能力を発動させずともいつもの倍の範囲の様子が手に取る様に判る。
「
元の話の何倍だ、これ」
一度大きく、尾を揺らす。
いたる所に息を潜めている白い小型トリオン兵。
偵察用のトリオン兵、ラッド。
雑魚だが、厄介なのはその数だ。
どれだけ集まろうとこの雑魚は雑魚だが、本当に数が凄い。
ただのラッドであれば、ただの偵察用トリオン兵だ。
ぶっちゃけて言うと、片付けなくても害はない。
だが、今回こちらに来ているラッドは、普通のラッドとは少々違う。
こいつらは
街中で
……というか、もう出てる。
これ以上被害が拡大する前にある程度 片付けるのが俺の仕事だ。
「影針」
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アキ - 続きが気になって次々読んでしまいます!これからも頑張ってください! (2019年3月25日 8時) (レス) id: 524ee6d04b (このIDを非表示/違反報告)
野良(プロフ) - ミリアさん» お返事の方遅くなりすみません。時間と気力があり次第、リクエストの作品を作らせていただきます! もっとも、いつになるかはわかりませんが。コメント有難うございます! また気の向いたときにでも立ち寄ってください! (2017年9月15日 8時) (レス) id: 93a3181461 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 凄く気に入った作品で面白かったですもし今後他の作品を作る予定があったらワールドトリガーの世界にトリップか転生したKかハイキューか黒バスか銀魂の銀時か高杉の姉か妹の作品が読んでみたいです説明が下手ならすみませんこれからも体にきよつけて更新頑張って下さい (2017年9月7日 18時) (レス) id: 14f5017be6 (このIDを非表示/違反報告)
ちょっとね、隠れたいのよ(プロフ) - 波瑠音さん» コメントありがとうございます! 物凄くのんびり気の向いたときの更新なのでふと思い出したときにでもまた来てみて下さい! (2017年6月27日 17時) (レス) id: 6af8be8c4a (このIDを非表示/違反報告)
波瑠音(プロフ) - とても面白いです!これからも続きを読みたいと思ってます! (2017年6月27日 16時) (レス) id: 6a4ce7bd71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょっと隠れます | 作成日時:2017年5月23日 2時