占いツクールの闇 (ページ2)

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選手権が始まって一日目。
昨日のものをカウントするらしい。

朝、由利が中心に集計をしていた。

やっぱり一番多いのは、由利。
私はビリから３番目くらい。

由利はいきなり私に向かって言ってきた。
「じゃあ、乃香に命令！今日の掃除当番、交換しよ？私水道担当なんだけど、最近寒いじゃん？よろ〜！」
と。

え.....
たしかに私は教室担当だから暖かくて良いかもしれないけど...いきなり私なの？なんで..？
もちろん拒否権なんかなく、掃除を変わることになった。

掃除の時間。由利は確認か、もう一度言ってきた。
「よろしくね〜！ほんと助かる！ﾎﾞｿｯ明日もお願いしちゃおうかな〜！やりたくなけりゃ頑張ってねｗ」

私は驚いた。同時に、ショックだった。
由利に目をつけられたかもしれない。

私は気にしていなかったが、こんな噂を聞いたことがある。
「由利は一度目をつけたら徹底的に追い詰める」と。

でも何もやっていないはず...どうして？？
どうして私なの？

初めて、由利に「嫌だ」という感情を持った。

次の日も、また次の日も、またまた次の日も。由利は一番。私はビリに近い。
毎日毎日冷たい水で掃除した。

涙が溢れそうだった。
なぜか私だけ...教室掃除なんてまだいるのに...
私が何をしたの？...理由を教えてよ

次の週になる頃にはだんだんエスカレートしていき、宿題見せろと言われるようになった。

もちろん、私自身が一番になれば良い。が、由利の人気は圧倒的だった。
底辺作者の私じゃ勝てない。

人気になりたい。
方法をずっと考えていた。

「人気のオリジナル作品ってなんだろう...」
ぱっと目についたのは、【実話】というタグだった。

「実話...？本当にあったお話ってことだよね？
それのどこが人気になるんだろう..？たしかにリアルさはあるかもだけど..つまらなくない？」

乃香は気になり、タグをクリックし、一番上に出てきた作品を開いてみた。
一通り読んでみると、その内容は乃香が想像していたものとは全く違うお話だった。

「え..実話ってそういうこと..？つらそう...でもコメントも評価もいっぱい..共感する人がたくさんいるってこと...だよね？」

そのお話は、いじめや、学校であった辛いことを日記のように書いていたものだった。

乃香はこのいじめのような状態から抜け出したかったのかもしれない。
もしくは、人気になりたくて仕方なかったのかもしれない。

「私もやろうかな...」