episode2-4 ページ6
考え事をしていて二人とも同時に立ち上がってしまったのが悪かったのか。
ただでさえすぐ近くに腰を落としていたため、立ち上がった時に見事にぶつかってしまった。
「っと、ごめ……!」
とっさに謝ってくるAはバランスを崩した。
Aの手を掴んで転倒を阻止しようとしたがうまくいかず、Aが手をついた先にある茂みから派手に音がなってしまった。
そして、大丈夫か、なんて声をかけるよりも先に鋭い視線を二人とも感じた。
そう、先ほど生まれたばかりのナックラーと戯れていたはずの親フライゴンである。
これまでも子供を持った直後の親ポケモンが周りに対して牽制しているのを見かけたことはあった。それは子供を奪われないためであったり、子供の誕生という長い緊張感の延長だったり理由は様々であるが、このフライゴンにとってもそれは同じだ。
さらにドラゴンポケモンというのは卵に対する執着が他のタイプのポケモンよりも強く、ドラゴンタイプの中では温厚的であるはずのフライゴンも、目の前で俺たちを威嚇しかけていた。
横目でAを見ると、そんな鋭い視線に射抜かれて動けないでいるようだった。
俺がなんとかしないと。
そんな考えがふと頭をよぎり、俺はAの腕をとってすぐさまその場を離れるべく駆け出した。
本来ならば刺激しないためにもその場を動かずにやり過ごした方がいいのだが、今回は場所を変えたほうがいいだろうと勝手に判断した。
俺の後ろをなされるがままについてくるAの荒くなった呼吸が聞こえてくる。
これじゃいつもと逆だな。と、俺は頭の中で残った理性からの冷静な感想が浮かんでいた。
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作者名:のーいふす | 作成日時:2019年12月1日 18時