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行成「すみませーん」
下から大きな音がしたから1階へおりるとそこにいたのは、紙袋片手の戸上行成と…シーだった。
行成「すみません、厨房貸してください」
功一「え?」
俺の返事も聞かずに、ずかずかと厨房に入り込む戸神。
シーの方に視線を向けるとシーは口パクで
静奈「ごめんね、ごめん」
と謝る。
行成「あ、彼女は前に話した女子大生の…」
静奈「高峰…と申します」
功一「あぁ…どうも初めまして」
2人してどうすればいいかわからず、たどたどしく挨拶をした。
行成「え、それだけぇ!?」
功一「へ?あ、あぁ…なんていうか綺麗な方ですね」
めんどくさいから少し棒読みでそいえば、シーはむっっと顔を顰める。
功一「っていうか!!なんなんですか、こんな夜中に!」
行成「風邪ですか?」
功一「え!?あ、あぁ…」
行成「じゃあ休んでてください!僕ら、ハヤシライス作ってますから」
そういってシーの背中を押しながら2人で厨房に入った。
泰輔「なんだよそれ!2人で厨房デートかよ!!」
そんな状況を2階にいる泰輔にいえば、そんなことをあいつは叫んだ。
功一「あー、しっ!A、寝てんだろ」
そういうと熱が冷めたのか、静かになる。
功一「…変だと思わねぇか?なんで今更になって政行はハヤシライスの味を変えさせたんだよ」
泰輔「シーが…父ちゃんの…アリアケのハヤシライスの味に似てるって指摘したからだろ」
功一「そういうことなんだよ。つまり…戸上政行は自らの罪を認めたことになる」
泰輔「だから何回も言ってんじゃん!戸上はアリアケの味をパクったんだって!
そのために親父とお袋を殺したんだよ!だから犯人は矢崎じゃなくて戸神なんだって!!」
俺に向かってそう叫ぶ泰輔に口に人差し指を当てて「しー…」と抑えると、もぞもぞと泰輔の後ろで何かが動いた。
「…たいにぃ…?なんでいるの…」
半開きの目でゆっくりと伸びをしながら起き上がるA。
功一「あーもう、起きちゃったじゃねぇかよ」
泰輔「わるい…」
「?ふぁ…今なんじ…」
功一「あ、A。1階に行くなよ」
俺がそういうと、首をかしげた。
功一「戸神行成とシーがハヤシライス作ってるから」
「…はい?」
泰輔「まぁ1階に、行かなきゃいいわけ」
「…わかった…?」
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作者名：ぽかぽか笑顔
| 作成日時：2017年12月11日 22時
