深紅の物語 (ページ44)

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「どういうことだ。」

現場に着いたコウ・クルススとイース・リヴェルタは、その場で泣きふす一人の少女を目の当たりにする。

「どうしました。」

コウ・クルススが、できるだけ、優しく尋ねる。

「殺したの！私が！」

シェネキスが、振動する。

「ミス・マナンティアレが脱落。生き残りは三人。…ゲーム終了。」

コウ・クルススは、息をつく。

「終わったか。」

そこで、疑問が湧き上がる。

今更だが、なぜあれほど強いウィステリア・レインがやられてしまったのか？

意図を汲み取ったように少女が話す。

「ミス・マナンティアレは、封印の力を持ってたけどあれはサブの力。本来の力は、再生能力。あの世界最大の魔物、ソルシエールが誇る、最大の力。…私は、気づいてたんだ。」

少女が、一旦、言葉を切る。

「これは、ゲームという名の幻覚。もうすでに、私たちはソルシエールの罠にはまってた。」

「全ては、ソルシエール自身が戦う魔法使いを減らすために、仕組まれたことか。」

コウ・クルススはため息をつく。

内容をまとめれば、ソルシエールは、まず、幻覚を魔法使いたちに見せて、魔法使い同士が戦い、傷つけ合う環境を整えた。

ソルシエールは、その環境の中で一人ずつ確実に魔法使いを殺して行った。

ミス・マナンティアレという仮の姿で。

彼女は、驚くべき再生能力があるから、首がもげても、元どおりになったに違いない。

ソルシエールは、闇魔法なので、きっと、少女の光魔法に対抗できなかったのだろう。

基本的には、闇は、光に弱い。

「幻覚を見せられていたとはいえ、とんでも無いことを…。」

イース・リヴェルタは、自分がやったことの大きさに震えた。

「仕方がない。」

コウ・クルススはいう。

まるで、自分にも言い聞かせるように。