story87 ページ48
日曜日のトロピカルランドはそれなりに人が多くて、ぼうっとしていたら沖矢さんとはぐれてしまいそうだった。
まあでも、私は東京ディズニーランドにもUSJにも行ったことがあるので、これくらいの人混みはなんてことはない。
「沖矢さん、ジェットコースター乗りましょうよ!」
久しぶりの遊園地だ。嫌なことは忘れて楽しむことにする。
「いいですよ」
沖矢さんが頷く。
三十分くらい並んでるから、私達はトロピカルランドで一番高いジェットコースターに乗っていた。
「あーー!!! なんで乗ったんだろ!! 怖い!! 高すぎる!!」
「乗りたかったんじゃなかったんですか?」
沖矢さんは全く動じず、いつものように平然としていた。
くそ、こいつに弱点はないのか。
「乗りたかったですよ!! でも乗ったらいつも後悔するんですー!!」
「手を握ってもいいですよ」
「そんな少女漫画みたいなことはしませぎゃあああああああああ!!!!!!???」
ジェットコースターが急降下していく。隣からは全然悲鳴は聞こえない。
すごい風だ。せっかくセットした髪の毛は台無しになっただろう。最悪。
とか思っていたら再び急降下するジェットコースター。
声にならない悲鳴をあげた私の手を、そっと温もりが包んだ。
その正体を確認する余裕はなく、結局私は最後までみっともない叫び声を上げ続けた。
「楽しかったですね。次はどこに行きましょうか」
ジェットコースターを降りると、沖矢さんがにこにこしながら聞いてきた。この人の心臓はどうなってるんだ……?
「最初から飛ばし過ぎましたね……あー、怖かった」
私の言葉に沖矢さんはくすくすと笑う。
「ずっと叫んでいましたね。ジェットコースターが怖いなんて、Aさんも可愛いところがあります」
「まるでいつもは可愛くないみたいな言い方ですね。
沖矢さんはずっと無言でしたけど。ジェットコースターは無言な人ほど怖がってるって説もありもすもんね。もしかして怖かったんですか?」
「そういうところが可愛くないんですが、そこまでいくと可愛い気がしてきますね」
「前から思ってましたけど、沖矢さんって絶対彼女できませんよね。完全に残念なイケメンタイプ」
「仕事の依頼人と酔いつぶれてホテルで一晩過ごすような人に言われたくないですね」
くそ!!! まだ覚えてたのかよ、その話!!!
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みそ - 沖矢さんにめっちゃキュンキュンされます…この作品を作って下さって本当にありがとうございます!!9も頑張ってください! (2018年2月12日 0時) (レス) id: f05c3c7162 (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - 百合さん» ありがとうございます!! 頑張って更新します! (2017年12月13日 7時) (レス) id: b25d192faf (このIDを非表示/違反報告)
百合 - すごく面白いです(*^-^*)続きが気になります!頑張って下さい!(*´∀`) (2017年12月12日 23時) (レス) id: 664152f9a6 (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - ムーンさん» 毎日読んでくださりありがとうございます!! 一位なんて嬉しい!! これからも頑張ります! (2017年12月9日 21時) (レス) id: b25d192faf (このIDを非表示/違反報告)
ムーン(プロフ) - 毎日毎日更新されたのを楽しみにしながら見てます!この作品今のところ私の好きな名探偵コナン夢小説1位です!!これからも続編頑張ってください! (2017年12月9日 20時) (レス) id: 257ddb25d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海星 | 作成日時:2017年12月6日 23時