トリップしたらシルバーブレッドが敵だったなんて聞いてない2【名探偵コナン】

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さっそく殺人事件に巻き込まれた。
いや、社会的に違法な会社に勤めてるからっていって、生の死体なんか見たのは初めてだからね！！？

多分、相当顔色が悪い自覚はある。
そろそろと会場を離れようとする私と対照に、蘭ちゃんはコナン君を追いかけようと、殺人現場に入ろうとする。
さっすが。毎週殺人事件に巻き込まれてるだけあるねー、ははは。

その時、

「だめよ、エンジェル……貴女は入ってはだめ。この血塗られたステージには相応しくないわ」

梓さんが、蘭ちゃんを引き止める。

エンジェル？ エンジェルって蘭ちゃんのこと？

「エ、エンジェル？」

蘭ちゃんが、怪訝そうに眉をひそめた。

「あ、ほら！ 蘭ちゃんって、天真爛漫だし♡」

おどけた様子で言う梓さん。園子ちゃんが、「天使ん……って、ダジャレ……？」と、呆れた声で呟く。

「とにかく！ 事件の解決は彼らに任せましょ？」

梓さんの言葉で、会場の方に目を向けると、コナンと沖矢さんと安室さんが、死体の周辺を調べていた。

いいの？ 勝手に殺人現場に入ったりしてさあ。
コナンはまあ、そういう漫画だからともかく……沖矢さんと安室さんは、警察になんて言い訳するの？
私の脳裏に、あの太ったちょび髭の警部や、気弱な男刑事とショートカットが美人な敏腕刑事の顔が次々と浮かぶ。
彼らともお近づきになるってことか。
まじで勘弁してよ。

てか、これ殺人だよね？
コナンも沖矢さんも安室さんも、しかも偽物の梓さんっていう豪華キャストが揃ってるんだから。
重要な事件なのは間違いなさそうだ。
やっかいなことに巻き込まれた。

私はそろそろと現場から離れると、会場のベンチに座り込んだ。
気分が悪くなったってことにしよう。
何が起こっているのか分からないけれど、この現場はただの事件現場じゃない。
コナンが恐れるほどの危険分子が潜んでいる。

この世界では人は簡単に殺されるのだ。



何よりも優先すべきは自分の身であり、私を守れるのは私しかいない。

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