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No.20 閉鎖 ページ22

――モンゴメリside――

今日はまだ、練習が始まってないみたい

それより、テントの方が騒がしい

何かあったのかな? と思い乍らアンと遊んでいたら団長が走って来た


「君! ピエロ君を見てないかい?」

「知らないわ……。ピエロ君が如何したの?」

「実は、ピエロ君がいないんだ……」


ウソだ

ウソよ

そうよ……ウソよ!

ピエロ君が消える理由がないじゃない


その裏腹、嫌な予感が頭をよぎる


「……異能力者じゃない……」

「どうゆうことだい?」

理由を説明しようとしたが時間がない


「理由は後で説明するわ! ついて来て!」

私はピエロ君の楽屋に向かう



楽屋には鍵がかかっていた

「ピエロ君ッ!! 開けて! 私よ、モンゴメリ!」

「そうだ、開けてくれ! みんなが待っている」

その時、鍵が開く音と共にピエロ君の声がした


「モンゴメリだけ、入っていいよ」


私はゆっくり扉を開け、中に入った


楽屋の中はぐちゃぐちゃでポスターは破られていた

そうとう、暴れたことを楽屋は静かに物語ってる


「……ピエロ君?」

「僕は異能力者じゃない……」

声を震わせていた

「じゃあ、今迄僕を苦しめてたのは誰だよ!!
こんなに傷を負わせたのは誰だよ!! なぁ?
なぁ!?」

今度は声を荒らげて云う


「ピエロ君、落ち着いて異能力者じゃなくても」

「僕は、ずっと異能力者として生きてきた……。それ以外の生き方がわかんないよ!」

コロコロと表情が変わっていく

すると、ピエロ君は立ち上がって私の方へ近づく。

そして、私に寄りかかった


「なぁ? モンゴメリ……」

「大丈夫?」

私の質問に答えずにピエロ君は云った


「死にたいなぁ……」

語尾はだんだん抜けて行くような声だった

ピエロ君の頬には一筋の涙があった



パシッ!!


ピエロ君は何が起きたか判らないような顔でこちらをみた



「馬鹿じゃないの?」

私は冷たく蔑んだ目でピエロ君を見つめた

No.21 虚像→←No.19 真実



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作者名:女武将信長 | 作成日時:2017年4月11日 0時

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