推しがお仕置きされるのは避けたい！（2） (ページ18)

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53話ページ18

幸いギリギリ大丈夫な深さで包丁が刺さっている…
『(これ以上深かったらホントに死んでいたぞ…これ…)』
そう思いながら私は自分の服を千切りロープにする
友利「…あ゛っ……は…も……り……の…」
『無理に喋らないで…傷口が深くなるから』
そう言いながら私はさっき作ったロープで彼女を止血する
『後はお腹を縫うものが有れば…止血剤はここにあるから…後はちゃんとした包帯があった方がいいな…』
『……波多乃！！』
私は呼び捨てで波多乃ちゃんに呼びかける
波多乃「！！」
『波多乃ちゃんは親友を救いたいから殺人を代わりにやろうとしたんだよね！』
波多乃「嗚呼！このままだと茜が死んでしまうから…代わりに私が…」
『馬鹿！そんな事をやったら平良ちゃんが辛いだけだ！確かに君は自分の命を犠牲にして平良ちゃんを救ったとしよう…君は親友を守れて後悔はないかも知れないけど…残った方はどうするの？…助かったよ死んでくれてありがとうなんてなると思う？私のせいで死んだかもしれない…私が代わりに死ねばよかったのにって後悔や苦痛の気持ちしか残らないよ！そんな方法を取ったら平良ちゃんも波多乃ちゃんも友利ちゃんも報われない！』
波多乃「で、でも早くしないと茜がクロに…」
『まだ急げば間に合う！だから早く祷ちゃんを呼んできて！』
『君の足は誰かを助ける為にもあるんじゃないの？クラスメイトを助ける事が出来るのは今君しかいないんだよ！ここから全員一緒に出たいんなら死ぬ気で走って！！平良ちゃんの為にも君の為にも！！」
波多乃「！！…わかった！」
そう言い波多乃ちゃんはもの凄いスピードで走っていった
『友利ちゃんもう少しの辛抱だから…頑張って…』
友利「う゛……ん…」
私はハンカチで包丁を固定して波多乃ちゃんが来るのを待った…