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Aのそばでへたり込むエーミールも確認したひとらんらんは再度小首を傾げたが、どうやらイフリートが偉業を成したようなのでポケットに仕舞っていたおやつをとりあえず彼女にあげた。
寝転んだままのコネシマの傍ではチーノとショッピが棒でコネシマをつついて生存確認をし、「やめろやお前ら！」と怒鳴られていた。
そんな惨状に駆け寄ったトントンはまずコネシマを確認し、次いでエーミールとひとらんらんとイフリートに囲まれているAを確認して頭を抱えてしまったがすぐに立ち上がって詰め寄るように問いかける。
「Aさん怪我は？！足くじいたり痛いとこないんか？！」
「だ、大丈夫です…イフリートが助けてくれたので…ただ、その、コネシマさんが」
「Aさんに怪我がないならええです。コネシマより…」
そう呟いたトントンは音もなくチーノとショッピの背後に回り込み、二人の襟首を引っ掴むと容赦なくずるずると引きずっていく。
「うぐぇ、ちょ、トントンさっ」
「トントン、ちょっ待て締まる！」
「ええからこいこの問題児ども」
引きずられていく二人を見ながら免れたエーミールはコネシマに手と肩を貸して後ろからついていき、Aもイフリートとひとらんらんを連れてさらにその後ろについていった。
ゾムはその日任務が予定よりも早く終わり、Aがいる客室を訪ねていた。
だが、ノックしても返事がなく、どこかに出かけているのかとふらふら基地内を歩いていると何やらトントンの執務室である書記長室に気配が多いのを感じ取った。
何か催しでもあるのかと軽い気分でドアを開け、中を覗いてみれば。
正座するチーノとショッピの前に、仁王立ちするトントン。
脇のソファでぐったりと寝転がっているコネシマとコネシマの脇腹に氷嚢を当てているエーミール。
反対のソファではイフリートに甘えられて動けず戸惑っているAと、隣で我関せずとして座っているひとらんらん。
「…なんなん、これ」
ゾムがそう零すのも無理からず。
その呟きが聞こえたのか、Aとイフリートが同時にゾムの存在を見つけ、駆け寄った。
「ゾムさん、あのっ」
「A、落ち着いてや。何があったん？」
甘えてくるイフリートを撫でつつAの話を聞いたゾムは呆れから大きく息をついた。
「つまり、エーミールの書庫に本を返しに行ったらチーノとショッピくんが居って、内ゲバに巻き込まれたと。おいエーミール、何で止めへんかったんや」
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作者名：乃鴉 | 作成日時：2020年6月24日 19時
