仲直りマニュアル。【緑】 (ページ5)

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私はギュッと掴まれたその手を握る。

「･･･たぁくん」

大「･･･なに」

「あのね？
私が好きなのは忠義だけなの。
忠義以外の男の人なんて目に入らないし、忠義以外は考えられないよ？
それは分かって欲しい」

大「･･･分かってるよ、そんなん当たり前やん」

「これがあるから大丈夫」

私は忠義のゴツゴツした薬指にはめられているペアリングを撫でる。

そして自分のペアリングを忠義に触らせた。

「お守りでしょ？」

お互いに悪い虫がつかないように、というお守り的な意味を込めてふたりで買ったペアリング。

嫉妬深い私たちだから、このペアリングが果たす役目は大きい。

「私、この指輪キラキラさせとくから。
なんなら安田さんの目に入りやすいように、飲み物飲むときとか誇張しようかな」

大「･･･どうやってキラキラさせるねん」

「照明の下座るよ」

大「物理的すぎるやろ」

怒っていた忠義の顔が、だんだん柔らかくなってきた。

声色も優しくなってくる。

「ね？伝わったでしょ？私の忠義愛」

大「･･･おん。
でも心配なことは心配やで？」

「分かってる。ちゃんと連絡するから」

大「･･･ごめん、こんな嫉妬深くて」

「ううん、私だって忠義の立場だったらモヤモヤすると思う。
だけど安心して欲しいよ。
本当に忠義しか好きじゃないんだから」

大「うん、俺もA以外目に入らん」

忠義が私のペアリングを愛おしそうに撫でる。

「じゃあ行ってくるね？」

大「っあ、待って、行くのは分かったとして、
その睫毛くるんってなってるのだけ直して」

「あーもう時間ないんだって！
それに今日たまたまうまく行っただけで本当に意識してないから！」

大「え、ちょ、あかん！」

本当に時間がやばくて、忠義から逃げるように外へ飛び出す。

駅ヘ向かう道のりで、
歩きながら睫毛を指で下げまくったこと、

帰ってから忠義に話さないと。

【ケース①
ケンカ原因：嫉妬
仲直り方法：・忠義だけが好きだと伝える
・切り札はペアリング
・不意打ちのたぁくん呼びは、忠義の攻撃態勢を少し崩す】

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