第5話 ページ5
「米も食うんかい」
わたし用のご飯をテーブルに広げれば、妖精たちはそちらも普通に食べれるようで。
思わずツッこんでしまった。
「こらこら、こぼさないの」
「ちょ!ちょあ!」
小皿に取り分けてあげた卵焼きとご飯を、主にもふもふが豪快にこぼすので、その度にご飯粒を拾い上げる。
「なんだ、普通にご飯で良かったのね」
「わん!」
まるで、うん!とでも言うような返事だ。
さっきは言葉通じない体で話してたけど、もしかして理解出来てる?
「おいしい?」
「ぶろ!」
「わん!」
‥‥うーん。
どうやらわかってるっぽいな。
そして何故だろう、わたしもなんとなくわかる気がする。
卵焼きをもぐもぐしながら、4匹を見る。
もふもふとアルパカは、かなり友好的な妖精のようだ。
それに比べてだいふくとグレー帽子は、なんとなくまだ距離を取られている気がする。特にだいふく。この子はなんというか、警戒してる、のかな。グレー帽子はどっちかというと興味が無さそうな反応である。
妖精にも性格ってあるのね。
「ごちそうさま」
「ぶろっちょ!」
「わんわんわー!」
お箸を置いて手を合わせると、もふもふも真似するように手を合わせた。アルパカは前足だと出来ないので、ぺこり、と頭を下げている。
後ろの2匹もさり気なくおててを合わせていたので、やっぱり悪い子ではないみたい。
めっちゃかわいい。
食器を片付けて、ベランダへと向かう。
「ちょあ?」
「ん?君も来る?」
まるで、どこ行くの?と聞かれてるような気がして、笑顔で振り返る。
まぁ、ベランダで一服するだけなんだけど。
もふもふとアルパカがぴょんぴょんとジャンプし始めたので、おいで、と手を差し出せば、
「ぶろ、」
「にゃ」
「わん!?」
2匹を押しのけて、何故かだいふくがやってきた。
「君もお外行きたい?」
「‥‥」
じっと見上げられたので、にこにこしておく。
「‥‥わ、ちょっと」
やがてだいふくがもそりと動いたと思ったら、そのままよじよじと腕を登って肩の上に乗り込んでくる。もうやだ、かわいい。
「はんにゃ!」
「ふふ、はいはい待ってね」
出発!とでも言うような声に少し笑うと、アルパカともふもふも無事に手のひらに乗り込み、わたしはそっと、テーブルの上に目線を向ける。
「‥‥君もおいで」
「‥‥」
じっとこちらを見ていたグレー帽子が、おずおずと、寄ってきた。
もしかしたらこの子は、恥ずかしがり屋さんなのかもね。
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こばやし(プロフ) - ももっとさん» こちらにもありがとうございます!意外とこういう変わり種が好きな方がいらっしゃって嬉しいです笑 ほどほどにやらかしつつ、これからも頑張ります!笑 (2017年7月21日 2時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
ももっと(プロフ) - 最近の作品から手繰らせて頂きました……本当に好きです……本当に……可愛すぎ…… (2017年7月21日 1時) (レス) id: a5964b6165 (このIDを非表示/違反報告)
も(プロフ) - 雑帽笑笑!次作も頑張ってください( ; ; )ほんとに応援してまーす! (2017年6月19日 23時) (レス) id: 4434e0f296 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - えなさん» お世話様です!いつもありがとうございますっ!次もお楽しみ頂けるよう頑張りますので、何卒よろしくお願いしますっ!! (2017年6月19日 23時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - らなかさん» コメントありがとうございます!5週!!??読み返せば読み返すほどアラが出てしまうので御手柔らかにお願いしますっ!!笑 (2017年6月19日 23時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こばやし | 作成日時:2017年6月14日 21時