第17話 ページ17
｢わおーん！｣
朝起きて、のろのろとリビングへの扉を開ければ、癒しの天使達がお出迎えしてくれる。
｢‥‥おあよー｣
｢わん！｣
｢ぶろっちょ！｣
｢おーおー。朝から元気だねぇ｣
きっくんとえふびーがぱたぱたと足元に寄ってくるので、寝癖がひどいまましゃがみこむ。
今日も絶好調で可愛いですなぁ。
｢今日も仕事だよ。行きたくないね｣
｢わふっ｣
｢ちょあー｣
わかるー、なんて言ってそうな顔だ。可愛い上に共感までしてくれるとは。どんなにスペックのいい彼氏よりも、わたしはこの子たちがいればいいと思った。結構切実。
｢今日は帰ってきたらみんなでお風呂入ろうね｣
｢わおーーーーーーん！！！！！｣
｢ぶろっ！ぶろっちょ！？｣
うむ。きっくんの喜びの遠吠えが凄まじい。そんなに嬉しいか。わたしも嬉しいぞ。
しかしえふびーも、テーブルの下に隠れているえおえおもなんだかちょっともじもじしている。大丈夫大丈夫、怖くないからね。
この子達が使えるようなミニチュアの浮き輪とか売ってないのかなー、なんて考えながら、身支度を整える。帰りにおもちゃ屋さんでも寄ってみるか。
｢行ってくるね｣
玄関で振り返れば、４匹揃ってお見送りに来てくれた。
｢わんっ！｣
｢ぶろっちょ！｣
｢はんにゃ｣
｢ぇぉー｣
もはや自分の子どものようにいとおしい。
ひらひらと手を振って、玄関を出た。
さて、仕事仕事。
｢‥‥‥‥最悪｣
喫煙室で、思わず独り言が出てしまった。
��最悪��とは、文字通り最も悪い事が起きてしまったということで。
｢‥‥‥‥(納期過ぎてた‥‥)｣
クライアントから依頼されていた業務の納期を、１週間勘違いしていた。
信頼第一で請け負っていた分、先方もかなりお怒りで。お得意さんだった会社が1つ、わたしのせいで契約打ち切りになってしまった。
｢気にしなくていいよ。良くはないけど、クライアントはあそこだけじゃないし｣
｢‥‥申し訳ありません｣
｢落ち込んでる暇ないって｣
ぽんぽんと肩を叩いて励ましてくれる先輩。申し訳が立たない。
よくある話の1つだし、今までもこんな場面は少なからず見てきたけど、まさか自分が当事者になってしまうとは。
｢今までAちゃんが完璧すぎたんだよ。たまには失敗もしないと、成長しないよ。前向きに考えて｣
｢‥‥‥‥はい｣
場数を踏んだ先輩の言葉はやはり重みが違う。
指先に挟んだタバコがチリチリと燃える様が、まるでわたしの心のようだと思った。
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こばやし(プロフ) - ももっとさん» こちらにもありがとうございます！意外とこういう変わり種が好きな方がいらっしゃって嬉しいです笑 ほどほどにやらかしつつ、これからも頑張ります！笑 (2017年7月21日 2時) (
レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
ももっと(プロフ) - 最近の作品から手繰らせて頂きました……本当に好きです……本当に……可愛すぎ…… (2017年7月21日 1時) (レス) id: a5964b6165 (このIDを非表示/違反報告)
も(プロフ) - 雑帽笑笑！次作も頑張ってください（ ; ; ）ほんとに応援してまーす！ (2017年6月19日 23時) (レス) id: 4434e0f296 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - えなさん» お世話様です！いつもありがとうございますっ！次もお楽しみ頂けるよう頑張りますので、何卒よろしくお願いしますっ！！ (2017年6月19日 23時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - らなかさん» コメントありがとうございます！5週！！？？読み返せば読み返すほどアラが出てしまうので御手柔らかにお願いしますっ！！笑 (2017年6月19日 23時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こばやし
| 作成日時：2017年6月14日 21時
