第100話「邂逅二年生」 ページ16
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「それ以上は?いや、流石に未成年だから無いか……」
「心中お察ししました。その問いに答えるならば彼は私に興味はない筈です(犬としてならあると思うけど)」
節操無しみたいな感じに思われてんのかな。
思われてそうだな。悟お坊ちゃま一応規格外イケメンだし。性格ドブみたいだけど。
そんな事を考えていた私に対し、少し気がありそうなお姉さんは「そっかそっか〜」と恋する乙女のような顔をしていた。
気があるの?やめときな、私だったら迷わずイタドリくんを選びます。あの子絶対浮気とかしなさそうだから。
そんなこんなで着々とスキルを身につけていき、数日経ったところで大体の仕事は覚えた。
元々使用人歴が長かったってのもあるけど、誰かの専属メイドになるんじゃなくて校内の清掃オバさんみたいな感じだから割と楽しい。
今日も建物周りに散らばった落ち葉をせっせと掃除する。
「ツナツナ」
「あっ、こんにちは〜」
通りすがりらしい誰か、学生さんとすれ違い頭を下げた。
名前は知らないが、毎回会うたびおにぎりの具で話しかけてくる少年。挨拶かどうかも分からないけどとりあえず挨拶を返している。
彼の喋り方は彼なりのこだわりかな、なんか可愛いななんて思いながら彼の背を見送る。
しかし毎日ネックウォーマーつけて暑くないのだろうか。
「どーも」
「あっAさんじゃん。お疲れー」
「あっ、こんにちは〜」
お次はパンダとポニテ少女。
少女はデカイ武器が入ったバッグを肩に背負って気怠げながら律儀に会釈してきて、その横を一緒に歩くパンダもフレンドリーに手を振ってきた。
パンダはパンダらしい。
ホウキでぶんぶん振り返したら風に飛ばされ落ち葉が舞った。あーらら。
「もうこれ放置でいいかな」
「給料カットされて良いんなら良いんじゃね」
「死活問題だよそれ、えっと」
「真希」
「マキちゃん」
可愛い名前ですな。初めて知ったわ。
因みにパンダの名前を聞いたら「パンダ」と答えられた。へ〜〜まんまなの。
そして先程のツナマヨ少年は「狗巻棘」とのこと。へ〜〜〜。
彼らは全員二年生で、三人だけらしい。
寂しすぎじゃない?というか普通に学級崩壊じゃない?
「これから授業?頑張ってね。暇なら手伝わせようと思ったけど」
「普通に生徒使おうとすんじゃねーよ」
「職務放棄は減給対象だぞー」
「わー賢い言葉嫌い!!!」
今時の子って賢い。
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なぎさん(プロフ) - めっちゃ面白かったです!素敵なお話ありがとうございます!! (9月17日 23時) (レス) id: 3e92d95cce (このIDを非表示/違反報告)
しろごま - 面白いです!あまり人の事には突っ込めませんが更新頑張って下さい! (2022年9月24日 7時) (レス) @page26 id: 4dc97dea49 (このIDを非表示/違反報告)
レネット(プロフ) - もう呪術は書かれないのでしょうか… (2021年7月16日 0時) (レス) id: ec8ec8961f (このIDを非表示/違反報告)
あいねこ(プロフ) - コメント失礼します。今まで読んだ作品の中で個人的に一番好きです!更新頑張ってください! (2021年1月2日 18時) (レス) id: a4bed0c9af (このIDを非表示/違反報告)
. - 凄く面白かったです。続きが読みたい!!! (2020年12月17日 5時) (レス) id: 0b60fa6ccb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Nny。 | 作者ホームページ:
作成日時:2020年11月30日 19時