「約束」は一体誰のもの？ ページ49
.
＿＿＿このまま泥のように寝てしまいたい脱力感。身体中が痺れて自分のものじゃないみたいだ。てか何だこの仕打ち。私が悪いのかよ。
本来の目的、確かに思い出したけどさ。結局あの子が動かないと実行もクソも無いじゃん。
そんな事をぐるぐるふわふわした脳内でぼーっと考えてる最中。
「え、えーっと……どうする？多分もう動けないから大丈夫だと思うけど……俺連れてこうか？」
「お、俺も行けます！」
「俺も……Aさんがいくらパワフルとは言え問題無い」
……ごちゃごちゃやってる。
地面に横たわった状態で誰か分からない足をぼんやり見つめる。
「さっきの、喘/いどる声みたいでヤバかったな」
そう言いながら私の頬を突っつく。烏だとすぐ分かった。
「いつも気丈に振る舞っとる女騎士がオークに捕まって＊されるみたいなヤツ」
……言い返す元気も無い為目を閉じた。
あとで殺す。
「ア？何言ってんだカス共。Aは俺のもんだし」
……そういや士道もちょっと電流浴びてたよな。ごめんな、手首も折ろうとしてさ。
私のすぐ側まで来た足。
手が見えた。私の腕を掴もうと伸ばして
「触んじゃねえよクソ雑魚」
その言葉と同時に身体が持ち上げられた。
腹に硬いのが当たり「うぇ」と声をもらす。
「どしたよ未練タラタラ玉砕男くん、幼馴染のオネーチャンにまだ構ってもらいてえわけ？」
そんな声を無視して、私を持ち上げたまま歩いて行く。
「りん……」
何も喋らない。そのまま部屋から出る。
扉が閉まったと同時に肩に担いでた私をその場に下ろし、横抱きに持ち変えてまた歩き出す。
「アンタの都合とかどうだって良い」
……その割に優しいよね。私の腹に気を使った上に、見られないところで抱え方変えてくれたんだろ？
「アンタは昔から、何事も無関心だったよな。思い出したよ。いつもアンタの視線の先にはクソ兄貴しか居なかった」
……冴？
だって冴は、初めての友達だから。
「マジうぜぇ。殺したいくらい憎い。お前は俺のことすら見てなかったんだから」
その時初めて視線が絡んだ。
深く傷付いたような顔。
「り、ん」
「黙れ。何も喋るな」
瞼が重くなる。
緩やかに揺れる振動が心地良い。
「兄貴を超えて、俺が世界一のストライカーになる。だから」
俺との“約束”を必ず果たせ、と。
凛の顔が間近に迫った。
意識が暗転する
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1717人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サキ - Ich mag dich じゃなくてich liebe dich です！後は大体あってますけどich mag とich liebe は若干意味が違うので👾気を悪くさせたらすいません🥲 (2023年3月30日 0時) (
レス) @page37 id: 1baf0b6a1a (このIDを非表示/違反報告)
ひっぴー - カイザーが最後に言ったドイツ語の文章翻訳したら「面白い…答えます、約束します。」って出たんだがどういうこっちゃ。あ、応援してます！ (2023年3月24日 16時) (レス) id: a528653d7b (このIDを非表示/違反報告)
紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (2023年3月19日 19時) (レス) @page50 id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
融点(プロフ) - 第1部とても面白かったです。士道とカイザー推しなのでNnyさんと一緒でした👏🏻恋愛に発展しないのも込みで本当に私好みでしか無かったです。第2部楽しみにしてます。 (2023年3月13日 23時) (レス) @page50 id: 6f6f2e1e89 (このIDを非表示/違反報告)
羽鶴(プロフ) - 爪楊枝さん» 本当。もう癖になっちゃって自分の更新サボって何回も読んじゃう。二桁行ったのでこれからも読み続ける！(読んだ回数が） (2023年3月13日 19時) (レス) @page50 id: fcd2bda98b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Nny。
| 作者ホームページ：
作成日時：2023年2月6日 20時
