▼ 青い監獄に愛され狙いが出現した【ブルーロック】

「付き合ってんだよな」 ページ14

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「(珍しい。今日は長いな)」



フランス組のフィジカルスタジオを扉からこっそり覗けば、部屋の中央に1人の姿。

いつもより遅い時間に、いつものようにトレーニング後の身体のアフターケアを行なっている。知らずに開けてしまったが声をかけるわけにもいかないので、こっそり閉めようとすれば丁度終わったらしく軽く体勢を崩した凛がこっちに気付いた。



「……！Aさん」

「あ、凛。ごめん邪魔して、ここ後回しにするから構わず続けて」

「いや、そのくらい気にしねえし……良いっスよ」



そう言いながら柔軟体操を続ける凛。持ち前のストイックさは兄譲りなのかもしれない。



実は糸師家と私は幼馴染の関係にある。主に兄である「糸師冴」と、だが。
サッカーバカな冴は小学生の時から才能が開花していて、どのチームとやり合っても国内では負け無しだった。そして13歳の時に海外に行き4年後に帰って来たと思えば何だかスレてしまったようで、弟である凛と大喧嘩した。その時から2人の間で確かな確執が生まれてしまったらしい。

そして先日行われた日本代表戦。国中が熱狂したサッカーの試合で、見事青の監獄チームが冴率いるU-20日本代表に勝利した。
＿＿＿＿が、それでも兄弟の仲が回復したわけでもなく。凛が一方的に冴を敵視してるんだけど……多感な時期って大変ね〜〜って感じである。


一応2人とも(個別の)LINEで繋がっていて雑談する仲である。青い監獄に入ってから凛とは(用があれば直で話せる為)してないけども。



凛が私に敬語もどきを使うのは昔から私が良い子良い子と可愛がり続け、冴がいなくなった後も反抗期バリバリな彼に関係無く面倒を見てあげてた結果、割としっかり目に懐かれたのだ。確執day以降は結構大変だったけど。



「気ぃ使わせてゴメン」

「別に気なんて使ってねえ、ッス」

「んじゃ遠慮なく」



外で靴を脱ぎ、裸足で歩けばペタペタと音が鳴る。静かな部屋に嫌でも響いてしまうので予め湿った足をタオルで拭く。これでちょっとはマシになるだろ。
掃除機でホコリを回収し、汚れているところを手洗浄していく。後でモップで拭き掃除すれば完璧。

その際視線を感じ、ふと前を見たら鏡越しに凛と目が合った。


凛は真っ直ぐこちらを見つめている。
やっぱり冴と似てるな。



「……Aさん」

「どしたん」



振り向く。
綺麗なグリーンの瞳に私が映っている。


　


「Aさんって、今も兄貴と付き合ってんだよな」


　


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