62. ページ12
side K.N.
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今日はそういや…相葉くんが一緒だったっけ。
ここ暫くは大野さんとくっついてる事が多かったし相葉くんと二人ってあんまないから変な感じがする。
普段も収録で隣に居てくれるのは翔ちゃんと大野さんで、どちらかといえばスキンシップが多いのは大野さんの方だ。
翔ちゃんは進行を任せられる事が多いし中々話しかけたりできなくて、結局前室から大野さんと一緒にいる。
別に、他のメンバーに特別気を遣ってるわけでもない。
結成当初こそ、それまでずっと一緒だった相葉くんといる時が一番安心できた。
勿論、それは今も変わらないけど他のメンバーにも素直に色々話せるようになってきた。
久しぶりに二人か…
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前室に入ると、なんだかソワソワした相葉くんがいた。
もしかして、相葉くんも俺と久しぶりに二人だなとか考えてくれてたんだろうか。
流石にそんなわけないか…
なんでソワソワしてんのかは分かんないけど、あまり深くは追求しないでおいた。
───────…この時の相葉くんがどんな気持ちだったか俺が知るのはまだまだ先の話だ。
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そのあと、撮影も順調に進んでたけどやっぱり途中から辛くなってきた。
なんか、一回辛いなって思い始めたら色んなところが辛くなってこない？
腰も痛くなってきた…
撮った写真のチェックをしている間に腰痛がバレないように少し離れた場所の椅子に座ることにした。
無意識にため息をついてたみたいで、それが割と遠くにいたはずの相葉くんにはバレてたみたいで…
「どした？どっか痛い？」って…
「ん…ちょっと、腰がね…」
誤魔化せそうにないから言ったけど、流石に熱もあるとは言い出せなかった。
「そっか…押してあげよっか？」
大丈夫…と言う前に既に相葉くんは俺の後ろに回ってた。
「そのまま座ってて」
「ぅいっ…た……」
「痛いよね…ごめん、余計なお世話だったね」
そう言うなりパッと離された手。
そうじゃないんだってば…
離れていこうとする相葉くんの腕を掴む。
「違う…」
ありがとう、が素直に言えなくて。
でも、そんな天邪鬼な俺の理解者である相葉くんは俺の思いを汲み取ってくれた。
「そっか…じゃ、もうちょっと押すよ？」
痛くて…でも、相葉くんの手は優しくて、温かくて。
俺のためにやってくれた事がすごく嬉しかった。
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作者名：美菜子 | 作成日時：2018年6月29日 23時
