61. ページ11
side K.N.
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撮影中は薬が本当によく効いてたから特に無理したっていう事もなかったけど、それでも終盤には少しずつ体調が悪くなってるなって分かるくらいになっていた。
通院治療の時、熱が出たりしたら病院に来てくださいって言われたけど、時間的に今から行くのもな…ってかんじ。
明日も朝から仕事入ってたし…
でも何かあってからじゃ遅いからってマネージャーに言われて、たしかにもう周りの人たちに迷惑かけたくないなって。
マネージャーは俺が朝から体調悪いの知ってたから帰りに病院まで連れて行こうとしてくれてたみたいなんだけど、明日行くから家に帰りたいってワガママなこと言って。
渋々家まで送り届けてくれたんだけど、俺も熱のせいでもうフラフラだ…
家の中まで送ると言ってくれたのをやんわりと断り、なんとか自力で玄関までたどり着く。
あー、ツラ…
立ってるのも辛くて、そのまま床にへたり込んでしまった。
瞼が重くて、このまま寝ちゃいそうだったけど、流石に玄関で寝るなんて身体に悪すぎるから頑張って寝室まで歩いた。
まだかなり早い時間だけどベッドに入って直ぐに眠りについた。
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気がつくと最後に時計を見てから既にかなりの時間が経っていた。
うわ、やっべ…寝すぎた。
けど、昨日の夜より少し身体が軽くなってる気がして少し安心した。
今日も仕事あるのにこれ以上辛いのはごめんだ。
たくさん寝たと言ってもまだ朝早いからとりあえずシャワーを浴びて、昨日の昼から何も食べてなかったから買っておいたパンを食べて薬を飲んだ。
流石にゲームをする気にはなれなかったから時間までテレビを見て過ごす事に。
それでもまだ本調子じゃないから内容なんてあんまり頭に入ってこない。
暫くボーッとしてたらスマホが鳴って。
ビックリして確認するとマネージャーから、もう着くって電話。
時間を確認すると、かなりの間ボーッとしてたみたいで焦った。
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「おはよ」
「おはようございます、お仕事は午前までですので病院にはお昼に向かうと連絡を入れておきましたので」
「…ありがと」
一瞬、そこまでしてくれたのかとびっくりはしたんだけど、俺の事を思ってしてくれた事だから、そこまでしなくてもいいのに…って言おうとしたのをグッと堪えた。
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作者名：美菜子 | 作成日時：2018年6月29日 23時
