意味無きもの (ページ34)

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バレンタイン2 ページ34

というか、私は恋よりも誰か愛してみたい訳で。

いや、違うぞ、病んでるとかじゃないぞ。

ただ私は恋というものは響きだけは良いものの、自分勝手な感情に左右されて最終的には相手じゃなく自分のことだけしか考えていないモノだと思っていて…。

…こんな思考回路だから出来ないのかなあ。

でもでも、愛は違うんだ。

恋と違って自分本位ではなく、相手本位なんだ。

自分よりも相手を優先して考える。

なんて素敵な関係なんだろう。

って思うのは私だけかな？

生前たぶん愛していた人はいなかったわけじゃないけど、どうだろう。

何か思い出そうとしても、ドロドロと先の見えない空間を掻いているようで全く思い出せない。

『はぁ～、ケーキでもなんでも作ってひとりで食べようかねえ。』

自分の気を紛らわすようそう呟きながら廊下の角を曲がった時。

ﾄﾞﾝｯ、

『わぷ、』

ロ｢おわ!?｣

角でロマニとごっつんこ。

普段なら気配とかちゃんと分かるはずなんだけど、あれこれ考え事していたら、そんなことに気を配るわけもなくて。

ロマニもロマニでまあまあ勢い良く歩いていたのでお互い跳ね返るような形になった。

ロ｢あたた、｣

『あたー…怪我はない？大丈…、なんだ、ロマニか。なら大丈夫か。』

ロ｢ちょっと!そこは最後まで大丈夫って心配しようよ!｣

半涙目なロマニが尻もちをつきながらそう私に訴えかける。

ロ｢だいたいなんで僕なら大丈夫なんだよう…。｣

『男の子は痛くても大丈夫って言う生き物だからね、ほら。』

なんだかんだロマニに手を差し伸べる。

ロ｢むぅ、男の子ってな…。｣

『ん？じゃあアラサー童貞君で』

ロ｢いや!!男の子で良いです!それでお願いします!｣

『ふふ、』

ロマニの反応に思わず笑みが溢れる。

こんなくだらない会話がこんなにできるのはロマニだけだよ。