今日も仲良くお勉強(1) ページ4
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眠い、眠い、眠すぎる。
昨日は夜10時頃に就寝したというのに何故こうも寝足りないのだろう。
俺は眠い目を擦りながらふらふらと学園の廊下を歩く。
爽やかな朝だというのにその足取りは重い。
「おーおー今日も眠そうだねぇ」
「おはようラギー」
「おはよッス、A」
本日も朝から爽やかに登場したのは親友のラギー。
レオナ君のお世話係だからきっと誰よりも朝が早いはずなのに俺と違って元気ハツラツだ。
「いつも思うけど、ラギーって朝からなんでそんな元気なの?」
「別に元気って訳じゃないけど、朝からレオナさん叩き起こしてたら嫌でも目ェ覚めるッスよ」
今度Aも一緒にやってみる?なんて悪い冗談を言うもんだからあからさまに嫌な顔をすると、ラギーはさぞかし面白そうにシシシと笑った。
「ちょい待ち。A、シャツ出てるッスよ」
「え?ほんとだ」
寝ぼけながら着替えたからか、制服のスラックスに入り損ねたシャツがだらしなく出ていた。
まるで他人事のような俺に、ラギーはやれやれといった様子でそれを指でちょいちょいと直してくれた。
「これで貸し一つね」
「ありがとう。ほんとにマミーみたいだね」
「だからマミーじゃないっての。感心してる場合ッスか。ったくもう、子供じゃないんだからさあ」
そう言って溜息と共にまたもやマミーのような台詞を吐くラギーに思わず笑ってしまう。
面倒見が良くて口うるさくて、もーもー言って怒るところなんてマミーそのものじゃないか。
流石、あのレオナ君のお世話係が務まる訳だ。
「さ、今日も寝ないできちんと授業受けるんッスよ。Aが居眠りすると何故か俺までとばっちり受けるんスから」
「はいはい」
リドル君にまでちゃんとAのこと監視しておくように釘刺されたんだから、とラギーはを尖らせる。
無駄な気苦労をかけて申し訳ない。
教室に入ったラギーと俺は隣同士の席に座る。
今から魔法史の授業だ。
今日はどんな内容なんだろう。
一見俺は何事にも無関心だと思われがちだが、魔法史においては人並みに興味がある。
授業でハートの女王が取り上げられた日には目を輝かせて話に聞き入ったものだ。
俺だって一応ナイトレイブンカレッジの生徒。
グレート・セブン、主にハートの女王には憧れと尊敬の気持ちがある。
そうしてトレイン先生の授業が始まった。
どうやら今日は砂漠の魔術師の話らしい。
よし、と俺はゆっくり瞳を閉じた。
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しろ - 今更ですが素敵な小説を発見してしまった…!!もう何度も読み返しています。二人の微妙な距離感がもどかしくて可愛らしい!! (2022年9月4日 8時) (レス) @page19 id: 694670944a (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - んふふ…ちゅーで呪いが解けるってニヤニヤしますね! (2020年6月13日 10時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青井 | 作成日時:2020年4月12日 19時