ドッキリに埋もれて死ぬ ページ9
「ほら、うちの弟、なんか勇名を馳せてるらしいじゃないですか。もし何かあったら怖いので。……あ、もしかして武闘系NGだったり…?」
「んなこたァねーよ。銀さんバリバリ武闘派だし?…つーかそれより、」
そのこと沖田くんは知ってんの、と。……痛い…いや、痛くはないか。痛くはないけどできれば突っ込んで欲しくなかったところへ突っ込まれてしまった。
苦笑いを全力で押し出しながら銀さんから目をそらし。
「……知らないですね」
「んじゃ知らせたほうがよくね?勝手に色々進めてのちのち恨み買ったりしたくねーんだけど、面倒臭せーし」
「…いや、知らないんです」
「……だからお前なァ、」
「――そもそも、」
私が上京してることすら、知らないカンジです、なんて。そう放った瞬間部屋が沈黙に包まれた。
(…いやでも、事実だし。)
私はまだお江戸に出てきて少ししか経っていないとは先程言っただろうか。その間周囲の人から総悟について聞いたりはしていたけれど、やっぱりドッキリの線を消し去ることはできず。
総悟の近況諸々の情報源はたまに送られてくる手紙だった。つまりいくら手紙といえど奴が本当のことを書いてきたりするのだろうかと疑心暗鬼に陥った結果がコレなのである。もし訪ねて行って間違いだったならばお縄になり兼ねない場所だし。
「――と、そうこうしてるうちに完全にタイミングを逃しまして」
「…信用のしの字もねーな」
「それ相応のことはされてますから」
別に姉上を崇めるのはいい。というか私も崇めてた。あの人はもう現代に舞い降りた天使に等しかった。だからその部分は総悟と完全同意できるんだけど――…なにしろ次姉の扱いに落差がありすぎたというか。
姉上へ摘んできた花を手渡したと思えば私にはネコジャラシのあのフサフサの部分を毛虫だと言って投げつける。ポテチを渡されて食べてみたらすっぱム○チョ。挙げていけばキリがない。
そしてそんな細々としたイタズラが姉上にバレるたび総悟は軽く叱られ、私は慰めの意味で激辛せんべいを渡されるのだ。世界一幸せなとどめである。
毎日がダマされた大賞だったかつての日々を思い出し、思わず身震い。まぁとにもかくにもそんなわけで総悟はまだ私がここにいることをしらないのだ。
「ここまできたらもう隠し通すのも手かなって」
「一体どんな姉弟だよテメーら」
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中村(平日浮上なし)(プロフ) - 皆様コメントありがとうございます!!お陰様で一巻完結とさせていただきましたヽ(*´∀`)ノ亀更新にお付き合い頂きありがとうございます!!嬉しいお言葉も沢山頂けて嬉しい限りです…!! 次巻では多少進展させられると思うので…よかったらまたよろしくお願いします!(^^ (2017年2月11日 21時) (レス) id: c9af2bf87c (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - お疲れさまでした!次巻も拝見させて頂きます! (2017年2月11日 20時) (レス) id: 20b4c6b7f5 (このIDを非表示/違反報告)
主任(プロフ) - 中村さんの作品いつも楽しみに見させていただいております(^_^)今回も最高でございます…また生きる糧を頂戴致します(^_^) (2017年2月11日 19時) (レス) id: 55077c071d (このIDを非表示/違反報告)
唯月 - 凄く面白いです!更新は大変だと思いますが、これからも頑張って下さい!応援しています! (2017年1月28日 22時) (レス) id: 9cd5d172ad (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 私も田舎の方に住んでるので何かと共感できる部分が多くて嬉しいですw銀さんが用心棒……心強いですね。これからの展開が楽しみです。 (2017年1月28日 22時) (レス) id: b4895c0cf1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:中村 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nakamura_/
作成日時:2017年1月4日 20時