【銀魂】狭い世間の真ん中で【坂田銀時】

アレ的なアレ　side銀さん ページ6

【銀さんside】




(…沖田Aねェ。)



どうにも苗字を隠さねばならぬ事情は取っ払われたらしい。にしてもどうしてこんな普通の苗字を隠す必要があるんだか。沖田なんざそんなもん普通の…、………あ？




「……沖田ァァァァアアアア!!?」



いやいやいや、…――はァァァアアア!!?

今までの女の言動を思い返してみればやけに真選組を気にしていた。そして沖田。――んなもんアレだ、……嫌な予感しかしねェ。


沖田、と聞いて真っ先に思い浮かぶのは無論どこぞのドS野郎である。ここら辺じゃそうわんさか出てくるような苗字でもねーし、…もしや。



「……いや、ちょっとまてよ、………お前まさか」



頭に例の生意気ヅラを思い浮かべながら依頼主の顔を見返してみた。すると――言われてみれば、というのか。確かにどことなく面影が感じられる。髪の毛の色に限っちゃ全く同じだ。

目の前のそいつはといえば「あ、やっぱり奴とも面識ありますか」などとあっけらかんとしており。




「……ナニお前もしかしてアレなの？アイツのアレ的なアレなの？」


「ちょっとわけがわからないです。アイツというのが沖田総悟とかいうふてぶてしいガキんちょならそうです私がオネエサンです」


「さらっと脈略のねェギャグ挟むのやめてくんない？」




それともアレか、お前は変なお姉さんか。んなもんAVの中くれェでしか生存確認とれてねーぞ。

少々混線しているツッコミをなんとかのみこみ、告げられた事実を暫し咀嚼する。………目の前のこいつが沖田くんの姉で？ワケありの上玉だと思ったら知り合いの身内で？



「…なんだよその家族揃って整ってますよ感。お前んちのDNAどうなってんの？」

「お褒めに預かり光栄です」

「沖田クンといい沖田サンといい、中身のダメさをカバーするのに必死すぎるだろ」

「あの万事屋さん私一応初対面なんですけど」



遠慮とかしません？という問いには「しねェ」とだけ返した。何が嬉しくて税金泥棒の身内を気遣わなきゃならねーんだか。



一気にやる気を失った俺を呆れたように眺めたそいつは「あとAでいいです。総悟も沖田呼びなんですよね？訳わからなくなるので」と。

こちらも「んじゃ俺のこたァイケメンさんでも銀さんでも好きに呼べ」と返しておく。……そこでようやく、この場の大混乱も収まりを見せ始め。



「――それじゃそろそろ本題に入りましょうか」



沖田姉、もといAがそう切り出したのだった。

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