【銀魂】狭い世間の真ん中で【坂田銀時】

ごまかしを少々 ページ47

「どんだけ気にしちまってんだよ」

「女の子はみんな気にしてるんです」

「誰が女の子だ、二十歳すぎだろーがよお前」

「女の子じゃないですか！」



銀さんだって男の子ですよ、と言ってみれば「当たり前だろジャンプ読んでるし」なんてなんだかよくわからない返答をもらえた。くすくす笑いが漏れてしまう。



「りぼん読んだら私も女の子で認めてもらえます？」

「ちゃおでも許してやらァ。…つーか今度は何言われたんだよ」

「な、何というと？」

「からかい的な？」



あのばーさんああ見えて下世話なこと口走っちまってんの？それともじーさん？とかなんとか。コレはアレだ、私のせいで生まれかけている誤解を解かなければ！




「おじさんもおばさんもそんな人じゃないですよ！銀さんじゃあるまいし…」
「ねえちょっとまって最後の一言どういうこと」


「ただちょっとおばさんに、……“好きな人くらいいたほうがいい”って…」


「着々と俺の扱い雑にしてんじゃねーぞ。んで――好きな人？」




なんだそりゃ、と銀さん。胡散臭そうな顔でこちらを見下ろしている。



「なんだそりゃって言われましても言葉の通りですよ。女は恋をしてたほうがいいって」

「へー、そんで好きな人どころか恋愛経験もないAチャンは動揺しちまったと」

「言い回しに悪意を感じました」

「洞察力は満点だな」
「銀さん！」



睨みあげれば笑われたあたりどうにも私はまたからかわれてしまったらしい。理不尽である。

こちらはおばさんのありがたい言葉を思い出しつつありのまま――少しごまかしてだけれど――を伝えているというのに。

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