グラマラスとは程遠い side銀さん ページ40
【銀さんside】
「つーかアレだろ、別にアラサーの切羽詰まった時期じゃねーんだしそう気にすることでもねェんじゃねーの?」
「……他人事だと思って」
「どうしてそこまで気にしてんだよ」
気にしなきゃいいだろ、と続けてみる。しかしそいつは「だって恥ずかしいけどそういう経験ゼロなんですもん」と躊躇うように言って俯いた。その頬は羞恥からか赤く染まっているが。
「え、今更?」
「ハイ?」
「見るからにそうだろ、明らかにウブだし」
「………ハイ?」
わけがわからないとでも言うかのように目をぱちりと瞬かせるA。……いやいやいやいや。
「逆に聞くけど自分が経験豊富でグラマラスな女に見えると思うか?」
「あの、質問に悪意ありません?……それは見えないですけど」
「だろーな。俺も見えねーし」
それにそもそも沖田くんの姉という時点で恋愛経験豊富とはとても思えなかった。周りの男など必然的にむさくるしいのばかりになるだろうし。あと反応やら何やら。
「なに?もしかして今まで恥ずかしがってたのソレ」とからかってみればAは「――っ、もう!」と歩調を早めた。まったく面白い奴である。
「そう怒んなよウブ」
「怒らせにきてますよね!」
「んなわけねーだろバカヤロー勝手に怒ってるだけだろこのウブ」
「ぎーんーさん!」
ほんっとうに江戸の男の人はみんな可愛くないですね!と。だからどうして可愛さを求めてんだよこいつは。
「もう怒りました私は!」とかなんとか夜空に叫んでいるそいつは悪戯っぽくこちらを見上げて。
「銀さんこそ彼女とかいるんですか?」
―――これはなんつー、クリティカルヒット。
「ババババババカヤローんなもんアレだよいるに決まってるよモテモテだからね銀さんんん!!!」
「あの銀さん声が震えてます」
「言っとくけどなァ!別に普通に経験豊富だしィ?今たまたま、マジでたまたまそこが空席なだけだし?むしろ今めっちゃ狙われてんだよ俺の気づかないとこでヤフオクとかかけられてっから」
「銀さんそれ誇っていいことなんでしょうか」
銀さんも私も同じですねえ、そう言ってけらけら笑ったそいつ。ふざけんなドアホ、誰が生娘だ、……と、小突いてやろうかと一瞬思いはしたのだが。
「――――ちょっと可愛いですね?銀さん」
かろやかな笑い声の中落とされたウブ女のそれに、どうしてか俺は「うるせェ」と返すのが精一杯であったのだった。
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中村(平日浮上なし)(プロフ) - 皆様コメントありがとうございます!!お陰様で一巻完結とさせていただきましたヽ(*´∀`)ノ亀更新にお付き合い頂きありがとうございます!!嬉しいお言葉も沢山頂けて嬉しい限りです…!! 次巻では多少進展させられると思うので…よかったらまたよろしくお願いします!(^^ (2017年2月11日 21時) (レス) id: c9af2bf87c (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - お疲れさまでした!次巻も拝見させて頂きます! (2017年2月11日 20時) (レス) id: 20b4c6b7f5 (このIDを非表示/違反報告)
主任(プロフ) - 中村さんの作品いつも楽しみに見させていただいております(^_^)今回も最高でございます…また生きる糧を頂戴致します(^_^) (2017年2月11日 19時) (レス) id: 55077c071d (このIDを非表示/違反報告)
唯月 - 凄く面白いです!更新は大変だと思いますが、これからも頑張って下さい!応援しています! (2017年1月28日 22時) (レス) id: 9cd5d172ad (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 私も田舎の方に住んでるので何かと共感できる部分が多くて嬉しいですw銀さんが用心棒……心強いですね。これからの展開が楽しみです。 (2017年1月28日 22時) (レス) id: b4895c0cf1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:中村 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nakamura_/
作成日時:2017年1月4日 20時