悪辣卑劣 ページ10
「…………」
――それには、聞き覚えがあった。いやあるどころじゃないというかなんというか。
声の主、もとい山崎は焼きそばパンが入っているらしきビニール袋を総悟に差し出していて。
(…つまり、なんだ、コレは、)
「――お前か山崎をパシったのは総悟ォォォ!!!!」
「今更何言ってやがんだか、奴ァみんなのパシリだろーが」
「お前が何言ってんの!?」
というより、だ。この鬼畜サディストならパシリ要員はもっといたはずである。様々な悪辣卑劣な手を使いどんな人でもパシれるはずなのである。山崎でなくとも替えはマリオ並に控えているのである。
……それをわざわざ山崎にするとか、もう喧嘩売られてるとしか思えないわけで。
「山崎は主に私のパシリでしょーが、何考えてんの?人のパシリとるなバカ」
「……俺が誰かしらのパシリなのは前提なの…?」
「あり、嫉妬かてめー」
「誰がゴミ争奪戦なんかすると思ってんだよバカなの死ぬの」
「誰がゴミィィイイイイ!!?」
叫んだ山崎には刀を向けるのが一番である。手っ取り早く黙るのだ。中々に長くなってきた付き合いの中で知っている。
実際顔を少し青くしつつ口を閉じたそいつに満足しつつため息を吐いた。横目で山崎に視線をやり、口を開く。
「――とりあえず山崎、メロンパン」
「えぇ!今行ってきたところなんですけど!」
「あとココア」
「副隊長!?聞いてます!? …っていうか刀ァァ!!刃当たってる!当たってますゥゥ!!」
「当ててるんだよバカ。返事はイエスかノーかどっちなのかな気になるなー」
「イエスゥゥウウウ!!!」
……と、まぁさらり、勝利を勝ち取ったところでまたコンビニへ向かう山崎を見送った。疲れたような背中が門の外へ消えてゆく。ご苦労。――そしてそれを見つめていた私をさらに見つめるのは、真後ろのドS野郎であり。
「なにジロジロと気持ち悪い」
「うっせーや。…いやーやけにザキがお気に入りじゃねーかてめー」
「口調がわざとらしい。死ね。……お気に入りとかわけわからないんだけども」
睨みつけるも、まったく相手にされていないようである。
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朝 - お疲れ様です。やっぱり素敵です。(^O^) (2019年11月1日 18時) (携帯から) (レス) id: 6f8b22e690 (このIDを非表示/違反報告)
1の次は2 - その次は3なのだ (2019年3月11日 16時) (レス) id: 0f19eb4563 (このIDを非表示/違反報告)
ハーレクイン(プロフ) - 山崎がかっこいい…中村さん流石です…!…そんな作者様になら!きっと坂本辰馬も書けると思います!(必死)お願いしますうううう坂本さんマイナーなんですよおおお日替わりしかないんですよおおおお……検討よろしくお願い致します。応援しています! (2018年9月5日 0時) (レス) id: b56fa1b191 (このIDを非表示/違反報告)
ワサビーム(プロフ) - 中村(平日低浮上)さん» こちらこそすいません!更新、頑張ってください! (2016年9月30日 18時) (レス) id: 4ee0338bf1 (このIDを非表示/違反報告)
中村(平日低浮上)(プロフ) - ワサビームさん» ご指摘ありがとうございます!!そのあたり全く調べずに書いてしまっていました…申し訳ない(´Д`;) 色々と調べた結果、原文丸々というわけではないので参考と直させて頂きました。細かいなんてとんでもないです!ありがたすぎます!本当にありがとうございました!! (2016年9月30日 15時) (レス) id: c9af2bf87c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:中村 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nakamura_/
作成日時:2016年9月19日 21時