客観的事実 ページ49
「――は、あ？」
驚くくらいになんでもない返答に拍子抜けしてしまう。山崎はいたって真面目な顔で「血がにじんでますよ」とかなんとか。
張り詰めていた空気との落差にため息がこぼれた。未だ私の頬に触れたままの山崎を見上げ。
「そんなの放っておけば治るから。気にすんな気にすんな」
「女の子なんですよ、副隊長。ダメですって」
「いーから！さっさと離せってのバカヤロー」
――顔が赤くなりそうだから、とそれは内心で付け足した。今にも頬が熱を持ちそうなのである。
しかし似合わない怖い顔で「絆創膏か何か貼りますから！」なんてまた傷口を凝視する山崎にとてもとても苛立った。――ここで赤面とか、なんて言い訳すりゃいいんだよバカヤロー！
さっさと手を離してほしくて仕方がない私はもう動揺しまくりである。「消毒していいですか？」とか聞いてくるお前は恥ずかしくないのか！この状況になんとも思わないのか!!
ノーダメージな山崎の目の前でひとり悶々とするという不本意極まりない状況の中、とうとう頬が赤を帯び始めてしまったそのとき。
――――パシャリ、と。
………不穏な音が、その場に響いた。ギクリと私たちの体が固まり、ギギギギなんて擬音がつきそうなほどぎこちなく音の方へ顔を向ける。…すると。
「――談話スペースで一線越えようたァ、山崎も中々やるじゃねーか」
……そこには、携帯を構えた総悟がいて。…いや、まって、……まって。
「………あんたどーしてここに」
「寝てたら土方コノヤローに置いてかれたらしい。屯所がもぬけの殻だったんでどうしようかと思ってたら、」
いーもん見つけちまった、とにたり。
「ほぼ脱げたワイシャツで下着丸出しの女とそれを触る男」
怪しいことこの上ねーな、なんて。…………一も二もなく、息を吸い込み。
「――今すぐそれ消せやこのクソドSがァァァアアアア!!!!!」
――――空っぽの屯所には、私の大声がキイインと響いたのだった。
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朝 - お疲れ様です。やっぱり素敵です。(^O^) (2019年11月1日 18時) (携帯から) (
レス) id: 6f8b22e690 (このIDを非表示/違反報告)
1の次は2 - その次は3なのだ (2019年3月11日 16時) (レス) id: 0f19eb4563 (このIDを非表示/違反報告)
ハーレクイン(プロフ) - 山崎がかっこいい…中村さん流石です…！…そんな作者様になら！きっと坂本辰馬も書けると思います！(必死)お願いしますうううう坂本さんマイナーなんですよおおお日替わりしかないんですよおおおお……検討よろしくお願い致します。応援しています！ (2018年9月5日 0時) (レス) id: b56fa1b191 (このIDを非表示/違反報告)
ワサビーム(プロフ) - 中村(平日低浮上)さん» こちらこそすいません！更新、頑張ってください！ (2016年9月30日 18時) (レス) id: 4ee0338bf1 (このIDを非表示/違反報告)
中村(平日低浮上)(プロフ) - ワサビームさん» ご指摘ありがとうございます!!そのあたり全く調べずに書いてしまっていました…申し訳ない(´Д｀;) 色々と調べた結果、原文丸々というわけではないので参考と直させて頂きました。細かいなんてとんでもないです！ありがたすぎます！本当にありがとうございました!! (2016年9月30日 15時) (レス) id: c9af2bf87c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：中村
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nakamura_/
作成日時：2016年9月19日 21時
