【銀魂】パワー・ハラスメント【山崎退】

伝統芸です ページ5

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「――お前、」

「なんだバカ」

「バカって言ったほうがバカ」

「生まれつきバカにそれは無効だバカ」

「つーか話そらしてんじゃねーや」



――んでお前、とまた改めて話題をこちらへ振った我らがクソ上司、総悟。…現在サボリやサボリやサボりの件について土方さんに大目玉を食らった我々一番隊隊長副隊長コンビは、不本意ながら書類を処理しているところであって。

話逸らしたのはお前だろというのは仕方ないから黙っておいてやった。寛大な私の心に感謝しろよと思いつつ続きを促せば。




「ザキをパシリに使いすぎじゃねーかィ、この間隊士どもが『山崎ってパシられて可哀想だよなぁ』って話してやがったぜ」


「いやお前もパシってんだろ人に罪擦り付けないでもらえる」


「俺ァ良識に則ってパシってらァ。てめーの無遠慮なパシリと一緒にするんじゃねェ」


「パシってる時点でどこが良識？それに私の場合は山崎喜んでるから。叫び声はポーズだから。美少女に遣われて興奮してるから実は」


「てめーにザキの何がわかるんでィ」


「わかるわありありとわかるわ」




意味もなく、実もなく、面白くもない会話にため息を吐いた。山崎がパシられすぎなんて今に始まったことではない。最早罪悪感も湧いてこない。ちなみに湧いてきたことはない。

だって真選組結成前、まだ浪士組なんていうもっさりした集団だった頃から奴はパシられていたのだ。……パシリ主は今と変わらず私や総悟だけれども。




「まぁ伝統芸的な？アレだし？山崎には黙っていてもらおう」

「奴ァたしか今日屯所だったな、黙らせるついでにこの書類プレゼントしてやらねーか」

「何その名案最高」




――と、いい加減終わりの見えない書類に疲れた私たちは襖を開けて。




「――やぁぁまざぁぁきくぅぅん！あっそびーましょォォオオオオ!!!」




きっと今日一番の被害者であろうそいつの名を、大声で呼んだのだった。

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