堅焼き煎餅 ページ4
*
「――山崎ィィイイイイ!!!」
――バタン、と私が勢いよく開いたのは屯所内のとある一室の襖であった。その中で筆を握っていたらしき山崎は、突如開いた襖に目を見開きながらこちらを見つめており。
「ふッ、副隊長!!?どうしたんですか一体!」
「どうしたもこうしたもあるかバカ!私の煎餅!堅焼き煎餅はいずこ!」
「さっきそれ買いに行こうとして副長に止められたんですってば!この書類終わったらすぐ買いに行ってきますから!」
「じゃぁそれまで私は何をお供にサボっていればいいの?上司より仕事かコノヤロー!」
「上司なら手本として仕事してもらえます!!?」
私の気迫に圧倒されたのか、仰け反って言う山崎。……ちなみに言うと彼は私のパシリである。その右手に握られていた筆を取り上げて、私は仁王立ちをした。
「見回りやら斬り合いならまだしも、私が今日の書類仕事をするとでも!」
「副隊長!開き直ったらおしまいです!」
おしまいでなく始まりだ。開き直るところから全ては始まるのである。
どうにも私は諦めないと察したのか、今までの経験上か。とにもかくにも「じゃぁあと五分で終わらせますから待っててください」との声に仕方なく筆を返した。そのまま時間を持て余した私は床にあぐらをかいて。
「ちなみに14も年下の女の子にパシリとして扱われるってどんな気持ち?」
「もう諦めましたよ。沖田隊長にも副隊長にも逆らえませんって」
「中々洗脳が進んでるね、環境順応能力ってすごいなぁ」
「言っときますけど原因あんたらァァ!!」
わかった上で言っているのである。いつもの通り叫び声を上げた山崎を、「いい反応」と私はけらり、笑ったのだった。
483人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
朝 - お疲れ様です。やっぱり素敵です。(^O^) (2019年11月1日 18時) (携帯から) (レス) id: 6f8b22e690 (このIDを非表示/違反報告)
1の次は2 - その次は3なのだ (2019年3月11日 16時) (レス) id: 0f19eb4563 (このIDを非表示/違反報告)
ハーレクイン(プロフ) - 山崎がかっこいい…中村さん流石です…!…そんな作者様になら!きっと坂本辰馬も書けると思います!(必死)お願いしますうううう坂本さんマイナーなんですよおおお日替わりしかないんですよおおおお……検討よろしくお願い致します。応援しています! (2018年9月5日 0時) (レス) id: b56fa1b191 (このIDを非表示/違反報告)
ワサビーム(プロフ) - 中村(平日低浮上)さん» こちらこそすいません!更新、頑張ってください! (2016年9月30日 18時) (レス) id: 4ee0338bf1 (このIDを非表示/違反報告)
中村(平日低浮上)(プロフ) - ワサビームさん» ご指摘ありがとうございます!!そのあたり全く調べずに書いてしまっていました…申し訳ない(´Д`;) 色々と調べた結果、原文丸々というわけではないので参考と直させて頂きました。細かいなんてとんでもないです!ありがたすぎます!本当にありがとうございました!! (2016年9月30日 15時) (レス) id: c9af2bf87c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:中村 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nakamura_/
作成日時:2016年9月19日 21時