【銀魂】パワー・ハラスメント【山崎退】

真面目 ページ17

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――山崎が密偵の仕事へ出かけてから三週間目。本日の仕事であった見回りを終えた私は大きく伸びをしながら屯所に帰ってきていた。

…ちなみにサボリ魔として屯所内に勇名を馳せる私だけれども、決して総悟ほどのサボリ魔ではない。私が放り出すのは書類仕事のみであり、見回りや肉体労働ならば喜んでというスタンスなのである。真面目真面目。



伸びのため突き上げた両手をゆっくりとおろしつつ、湧き上がりそうなあくびをこらえていた、そのとき。



「――あ、副隊長。お疲れ様です」


「……山崎!?」



…突然かけられたそれに声を荒らげてしまった。振り返ればそこにはだいぶ窶れたそいつがいて。あくびも思わず引っ込んだ。

一旦驚きを飲み込んで、改めて視線を向ける。



「…いつ戻ったんだよバカ、早く言えっての」

「さっき戻ったんですよ。ようやくあんぱんからの開放です」

「大丈夫？なんか目が闇落ちしてるけど」

「大丈夫ですちょっとあんぱんのことしか考えられなくなって」

「大丈夫じゃないよねソレ著しくやばいよね」



さっさと休めとため息を吐いた。そりゃ三週間あんぱんとか死んでしまう。私なんて一日一食あんぱんにしただけなのに胃もたれを感じたほどだ。

はい、なんて元気なさげに笑った青い顔にもう一つため息を吐き。



「あんぱんに潰されそうだよねそろそろ」

「どういうことですか、それ」



言う山崎を、部屋に蹴り込んだのだった。

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