しょうもない ページ8
なんだ0.5ミリって。極細なの?何なの?ほぼ変わりないだろうが!
…と、いうか!
「そんなしょうもない理由でこんな上玉指名するとか神経おかしいんじゃないですか」
「なんか文句でもあんのか、こちとら客だぞ」
「客の前にイケメンだろ息してるだけで腹立つ」
「敬語と常識どこいった」
つーかお前はイケメンに親でも殺されたのか、と。…ナチュラルに自分がイケメンなの認めてるとこについてはどうすればいい?刺せばいい?
……それに、イケメンに親でも殺されたか、って。
「――そういうこと詮索するのは、やめた方がいいですよ」
「あ?」
「…ほんとに両親が惨殺されたって言ったらどうするんですか」
「……お前、」
その場がなんとも言えない雰囲気に包まれた。土方十四郎によって生み出される紫煙がゆらゆらと消えていく。
目を少し伏せた私は彼の「悪かったな」なんて言葉に「いえ」と返した。
「まぁ両親は田舎で健在ですし?」
「……あァ?」
「あれ?警察ともあろう方がこんなキャバ嬢の冗談に騙されたんですか?あれ?」
「…てめェ、」
わざと本気で驚く私をこれでもかというほど睨みつける土方十四郎。こめかみがピクピクしてるし頬も引きつっている。もっと言えば刀に手を伸ばしていた。
「やだ誰かー!警察、警察呼んでー!イケメンに惨殺されるぅー!!」
「いい加減にしろよクソアマ!!警察は俺だ!」
「野蛮ー!野蛮人がいるー!婦女暴行ー!!」
「誤解の生まれるようなこと叫んでんじゃねェよ!!」
誤解もなにも刀に手を伸ばしたのは向こうである。私はなにも悪くない。
「すみません、私一般ピープルなんで。ちょっと野蛮警察ジョークわかんないんですよね」
「誰が野蛮警察だ猫被りキャバ嬢!」
「キャバ嬢がなにも被らず丸裸でやるようになったら世の男どもは絶望から死にますよ」
「そうは言っても限度があるだろーが!」
お前はもう仕事中と本性が別人格だろ、と。
「お陰様で女を信用できなくなりそうだ」
「それは感謝してもらわないとですね、小切手でいいですよ」
「人の話聞いてた!!?」
あーもう二度と指名しねェ、なんて土方十四郎。私は内心ほくそ笑みながら。
「えぇー残念だなぁ、私土方さんとお酒飲むの好きだったのにぃー」
「目が笑ってんだよ猫被り。気持ち悪いからやめろやめろ」
きっと最後になるだろう土方十四郎とのお酒の席を、終えたのだった。
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軒夜月 - めっちゃ面白いです!よくこんなネタ思いつきますね(汗)すごいです!これからも頑張ってください! (2016年10月19日 0時) (レス) id: 0ff51cc9e5 (このIDを非表示/違反報告)
蘓澳 - こんな、面白い話を書くのは誰なんだろうと思い、作者を見たところ、やはり中村さんだったという.....!中村さんの小説大好きです!これからも頑張ってください!応援してます!!これからも末永く読ませていただきます!笑 (2016年10月10日 22時) (レス) id: 6f5c53b9aa (このIDを非表示/違反報告)
中村@低浮上(プロフ) - 皆様コメントありがとうございます!お陰様で一巻完結とさせていただきました。二巻もお付き合い頂ければと思います!よろしくお願いします(*^_^*) (2016年8月27日 6時) (レス) id: c9af2bf87c (このIDを非表示/違反報告)
名無し17343号(プロフ) - この小説を読んで、土方さんがもっと好きになりました!キャラ崩壊してなくて、とても読みやすいです。 (2016年8月26日 11時) (レス) id: 683d111013 (このIDを非表示/違反報告)
紅桜 - すごく面白いです!更新頑張ってください! (2016年8月25日 9時) (レス) id: 00e4fea1b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:中村 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nakamura_/
作成日時:2016年8月14日 9時