極めましたけど何か？ ページ43
(――――…って何考えてんの気持ち悪い。)
土方十四郎が優しいとか――…優しいところがないとは、言わない。見合いの席じゃ助けられたし。
………でもそれを認めるのは癪だ。とても、癪だ。
正直自分でもどうしてここまで土方十四郎を認めたくないのかわからないけども、多分イケメン極めましたけど何か？的な顔をしているせいだろう。そうに違いない。
多少無理のある理論で自分を納得させる私に向かって「そういえば」とそいつが声を発する。
「総悟…、…そのクソガキ、キャバクラでどんな話してやがった」
「どんな話って……私とあんたはどこまで進んだんだとか」
「どこまで、だァ？」
そりゃつまりアレか、なんて眉間に皺を寄せた土方十四郎。
「クソガキ曰く“ABC”らしいですけど」
「よし決めた、アイツは殺す」
「さっすが真選組副長私は信じてました殺っちゃってください」
よっ、と無表情のままそいつをはやし立てる。険悪な仲の者同士が友好な会話をするために持つべきものは共通の敵なのである。つまりクソガキは死ぬべきである。
「…というか聞きますけど、クソガキとあんたの関係って何なんですか」
「俺と総悟の関係？」
「クソガキはクソガキであんたを恨んでるようだしあんたはあんたで困ってるようだし、意味不明極めてますよね」
「……全部説明すると面倒だからやめるが、まぁ命を狙ってくる部下だ」
「ちょっとタンマそれは部下じゃねえ」
お前ら警察だろうが内部でタマ取り合ってどうする。というかトップがゴリラで��2が部下に命狙われてるとかとんでもなさすぎじゃないか、これは偏見とか抜きの一般論として。
「やっぱ真選組はとんでもないですね、死んでも関わりたくない」
「どうしてそこへ着地すんのか俺は甚だ疑問だ。…そもそも見合いやらキャバクラやらで中々濃密に関わっちまってんじゃねェか。しかも今は副長を匿い中ときた、諦めろ」
「私はどこで人生を間違えた！」
「オイどういう意味だ」
「どういうもなにもそのまんまだバカヤロウ」
――せまいアパートの一室で、柄にもなく土方十四郎と一対一で。剣呑なものが見え隠れする会話を、なんとなく続ける。
その事実に何故だか、特に疑問も抱かないまま。……私は、窓の外で沈みゆく夕日を見送ったのだった。
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軒夜月 - めっちゃ面白いです！よくこんなネタ思いつきますね（汗）すごいです！これからも頑張ってください！ (2016年10月19日 0時) (
レス) id: 0ff51cc9e5 (このIDを非表示/違反報告)
蘓澳 - こんな、面白い話を書くのは誰なんだろうと思い、作者を見たところ、やはり中村さんだったという.....！中村さんの小説大好きです！これからも頑張ってください！応援してます！！これからも末永く読ませていただきます！笑 (2016年10月10日 22時) (レス) id: 6f5c53b9aa (このIDを非表示/違反報告)
中村＠低浮上(プロフ) - 皆様コメントありがとうございます！お陰様で一巻完結とさせていただきました。二巻もお付き合い頂ければと思います！よろしくお願いします(*^_^*) (2016年8月27日 6時) (レス) id: c9af2bf87c (このIDを非表示/違反報告)
名無し17343号(プロフ) - この小説を読んで、土方さんがもっと好きになりました！キャラ崩壊してなくて、とても読みやすいです。 (2016年8月26日 11時) (レス) id: 683d111013 (このIDを非表示/違反報告)
紅桜 - すごく面白いです！更新頑張ってください! (2016年8月25日 9時) (レス) id: 00e4fea1b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：中村
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nakamura_/
作成日時：2016年8月14日 9時
