【銀魂】猫かぶり【土方十四郎】

気持ちが悪い ページ15

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――松平公という名の波乱が過ぎ去ってから、一日。……自他ともに認めるレベルの不機嫌の渦中にいる私のもとへ、別の波乱は思ったよりも早く訪れた。

つまり。




「――二日連続来店なんてとうとうキャバクラの面白さでもわかっちゃいましたか気色悪い」


「…とりあえずそのいつも以上に酷い目つきをなんとかしろ」
「あんただけには言われたくない」




私と同じく、げっそりとした顔の土方十四郎が来店してきやがったというか。

辺りを見回すとゴリラも松平公も黒い隊服も見当たらないことからそいつが一人で来たことが伺えた。どんな意図があるのかは知らないけれども勘弁して欲しいものである。



「こちとら昨日の今日で不機嫌の本領発揮されてるんで。今土方十四郎とかいうイケメン目の前に差し出されたら即ぶっころなんで」

「お前それいつもだろ」

「うるせえ悪いかイケメン黙ってろ」

「どんだけ荒んでんだよ！」



土方十四郎の怒鳴り声にも当たり前のように殺意が沸く。というか存在に殺意が沸く。まぁそれはいつもなんだけども。

ともかく、ほぼ初対面のお偉いさんの娘に代わってお見合いなんてものを受けることになってしまった私の不機嫌度数及びイケメン憎い度は常にMAX状態なのだ。目の前に現れた土方十四郎が悪い。



そんな私の気持ちを知ってか知らずか、彼は紫煙を吐き出したのち口を開いて。




「……お前、大丈夫か」




――と。

…いや、大丈夫か、って。



「喧嘩売ってます？死ね」
「なんでそうなるんだよ!!気遣ってやってんだろーが!!」


「………気遣う？」



気遣う？気遣うって言ったこの人？




「…気持ち悪っ」
「そろそろ一回殴らせてくんない!?マジで顔色悪くしてんじゃねェよ!!!」


「だってよりによって私を気遣うとか…、何があったんですか死ぬんですか」


「勝手に殺すな、人を」
「いや死んでくれてもいいんですけど」


「……いつか殺す」





最早殺人鬼かよというほど鋭い眼光で舌打ちを零したそいつは、「見合いのことだ」と。




「普通に大丈夫じゃないです。もしかして私のこの限界状態を笑いに来たんですか最低」


「流石にそこまで鬼畜じゃねェよ！様子見に来てやったんだろうが」


「来てやった！来てやったって言ったこの人!!イケメン特有の自意識過剰!!気持ち悪い!!」
「ちょっとは黙ってられねェのかテメェは!!」




だって気持ち悪いものは気持ち悪いのだ。仕方ない私悪くない。

男なら→←権力差

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