時すでに遅し ページ2
――――夜の街。
この街――かぶき町がそんな二つ名を持っていると知ったのはいつのことだっただろうか。少なくとも最近であることに間違いはないし、私がその名にこれ以上なく納得したことも間違いない。
…かぶき町とは所謂“夜遊び”の街だ。一歩繁華街へ足を踏み入れればキャバクラやらホストクラブは序の口、女がタオル一枚のみを羽織って迎え入れてくれる店まで揃っている。
(…所謂社会の暗部というか、)
とにかくお子様にはお見せできない世界がそこにはあるのだ。…まぁ、
「――お客様ひと組いらっしゃいましたー!」
……それに気づいたときにはもう既に、私もその一部となってしまっていたのだけど。
――キャバクラすまいる。それが今現在の私の仕事先で。
無論お客さんをタオル一枚で出迎えたりなんかしない普通の“キャバクラ”だ。出迎えるのはきらびやかな着物を纏った女の子たち。だから決して危ないとかそういうわけではないんだけど。
「――Aちゃん、5番テーブルのヘルプに入ってもらえる?」
――なんといっても、愛想を振りまくのが主な仕事と言ってもいい職業なのだ。狸親父にもセクハラジジイにも、…イケてるメンズな、皆様方にも。特に最後のなんか最高に苦である。
「……はーい」
5番テーブルに認めた見覚えのある顔にため息をつきながら、私は立ち上がったのだった。
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軒夜月 - めっちゃ面白いです!よくこんなネタ思いつきますね(汗)すごいです!これからも頑張ってください! (2016年10月19日 0時) (レス) id: 0ff51cc9e5 (このIDを非表示/違反報告)
蘓澳 - こんな、面白い話を書くのは誰なんだろうと思い、作者を見たところ、やはり中村さんだったという.....!中村さんの小説大好きです!これからも頑張ってください!応援してます!!これからも末永く読ませていただきます!笑 (2016年10月10日 22時) (レス) id: 6f5c53b9aa (このIDを非表示/違反報告)
中村@低浮上(プロフ) - 皆様コメントありがとうございます!お陰様で一巻完結とさせていただきました。二巻もお付き合い頂ければと思います!よろしくお願いします(*^_^*) (2016年8月27日 6時) (レス) id: c9af2bf87c (このIDを非表示/違反報告)
名無し17343号(プロフ) - この小説を読んで、土方さんがもっと好きになりました!キャラ崩壊してなくて、とても読みやすいです。 (2016年8月26日 11時) (レス) id: 683d111013 (このIDを非表示/違反報告)
紅桜 - すごく面白いです!更新頑張ってください! (2016年8月25日 9時) (レス) id: 00e4fea1b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:中村 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nakamura_/
作成日時:2016年8月14日 9時