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――――――



「――色恋、ねェ」



――高杉さんの部屋を訪ねてきてから、数分。今は無刹さんの件について説明し終わったところで。

彼はゆっくりと私の言葉を繰り返していた。




「どうかされましたか?」

「いや。ただあの裏切り者が口を閉ざしている訳が、よりによってそれ絡みたァな」

「・・・と、仰いますと?」


「――下らねェ」


「・・・・・・、」



・・微塵の淀みもなく、言い放たれたそれ。


(・・・・下ら、ない・・・。)


思わず胸が痛んだ。・・しかし。



「・・色恋の類は、お嫌いでしょうか」


「嫌れェな訳じゃねェよ。・・・ただ、そういう情から組織に反旗を翻すような奴ァ好かねェ」



どうやら彼が嫌うのは情そのものではないようで、少しだけ安堵する。・・・・自分がそんな風に感じてしまうことには、本当嫌気がさすけれど。――まぁ、ともかくだ。



「・・・・それで、どうでしょう」



上層部の人間だという可能性が高く、無刹さんと好い仲だった。そんな方はいるのか。

これだけでは難しいだろうなという私の予想を肯定するかのように、高杉さんは「無理だろうな」と。



「一口に上層部と言っても、実情は多様だ。・・・もうちっと絞れねェことには突き止めようがねェな」


「・・・・・絞る、とは」


「簡単なことでいい。・・例えば、戦闘員か非戦闘員か分かりゃあとはすぐにわかる」


「・・戦闘員か、非戦闘員・・・」



それを確かめるには、一体。



(――まぁ、)

・・・・・何がともあれ、報告は済んだ。このまま自室に帰って一人で考えよう。・・そうでないと考え事に集中できない。





今日は突然申し訳ございませんでした、と一礼して、私はその部屋を後にしたのだった。

至って単純な子供だまし→←容易く知れる



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設定タグ:銀魂 , 高杉晋助 , シリアス   
作品ジャンル:アニメ
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ユイ - 完結おめでとうございます。とても素敵な作品で、最初の方から休まず一気に読んでしまいました。それに、描写がとても綺麗でもあり、妖艶で惚れました。最高です。 (2019年10月20日 10時) (レス) id: 7837a845b7 (このIDを非表示/違反報告)
Physics(プロフ) - 流れるような描写がすごく綺麗でした!読了後に「色は匂へど散りぬるを」の最初の方を読み返して夢主の成長を感じ、色んな意味で強くなったなあ、なんて思ってしまいました。最後に、素敵な作品をありがとうございました! (2017年5月9日 18時) (レス) id: 28db851a9c (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち - 完成おめでとうございます!初めて見たけど面白かったです!! (2017年3月26日 18時) (レス) id: 8a0b328429 (このIDを非表示/違反報告)
碧瀬(プロフ) - とても素敵な作品でした。完結おめでとうございます。 (2017年1月29日 1時) (レス) id: 33020b63e9 (このIDを非表示/違反報告)
呪者 - あぁ!高杉むずかしい!完結おめでとうございます!(^^) (2016年8月24日 10時) (レス) id: e80216b179 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:中村 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nakamura_/  
作成日時:2015年3月23日 23時

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