【銀魂】我世誰そ常ならむ【高杉晋助】

彼の言葉は難しい ページ8

(･･わけがわからない。)


････なんて気持ちを、抱いていたら。




「･･てめェ、今酒を飲むのに躊躇はあったか」




投げかけられたのはそんな台詞。――躊躇？


･････確かに少し戸惑いはした。･･急なことだったし、それを飲んだことはなかったから。･･だけれど、躊躇となると。




「･･･無かった･･、ように思います」

「だろうなァ。･･こっちも驚くくれェに飲み干してやがった」



後半の言葉に少し頬が赤くなってしまったけど、俯くことでなんとか隠し。



「･･それが、どうかしたんでしょうか」



彼に、疑問をぶつけた。

――私がお酒を躊躇わずに飲み干したとして、そこに何か問題が生まれるわけではないし。



･･ましてや父を殺すことに関する対処のような何やらが出てきてくれるとも思わない。････つまり、私には高杉さんの考えることが全くわからなくて。



(――･･そういえば、前に武市さんも同じようなことを言ってらしたか。)




“晋助殿の考えることはわからない”などというようなことを。･･･全くその通りだと思う。

自分で考えるのはこのあたりで放棄し、その人の言葉を待っていると。




「･･今回も同じだ」


「――は･･？」




――発されたそれに、私は思わず間抜けな声を上げてしまった。･･･今回も同じ？



「････同じ、とは･･･？」



やはり高杉さんの言うことは難しい。再度語尾に疑問符の付いた言葉を投げれば。




「――てめェ、血の繋がりは斬れねェと言ったな」


「･･はい」


「････だが、ちっと前には同じように“人は斬れねェ”と言ったな。･･酒は飲めねェとも言ったかもしれねェ」




それが今はどうだ？と。

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