不可能 ページ4
――――――――――
「――――少し宜しいですか」
――夜、20時を超えて。･･･只今私は、高杉さんの部屋の前でそんな声を上げていた。･････理由は勿論、昼間に固めた父についてのことを彼に言うから。
(――･･･父を殺すなんて、できないもの。)
･･今父のことを良く思っているわけではない。･････資料室で知ったもの、あの人がどれだけの悪事を働いてきたか。――あの人が、自分の利益のためにどれだけの人を陥れてきたか。
この後生きていたって、多分他人を不幸にすることしかないだろう。･･････きっと殺されて然るべき人間だ、父は。――生きていてはいけない。･････けれども。
何もその役･･殺す役が私である必要はないのだ、多分。･･･言い訳かもしれないけれど。
「――誰だ」
――と、扉越しに高杉さんの声が聞こえ。
･･･彼はきっとここにいるのが私だとわかっているだろう。･･敢えて名を聞かれている気がする。
私はその声に「Aです」と返し。
「･･お話があります故、････訪ねてきてしまいました。･･････お酌に呼ばれてもいないのに申し訳ございません」
お時間少しだけ宜しいでしょうか、と。･･･断られるかもしれないな、なんてぼんやり考えていれば。
「――構わねェ。･･入れ」
いつも通り何を考えているのだかわからない声音で、高杉さんはそう言った。･･･つまり。
(････入って良いということ･･？)
何しろ自分からここを訪ねるのは初めてであるからして、少し戸惑ってしまうけど――･･、･･･ともかく。
「――失礼、致します」
･･少しだけ緊張しながら。････煩くなってきた動悸を、BGMに。
――――私は、その扉を開けた。･･そして、その向こうでは。
「･･･突然申し訳ございません。･･できる限り、急ぎたくて」
「構いやしねェ。･･･何の用だ」
･････いつも通りの紫煙の匂いと、高杉さんその人の独特な雰囲気。･･それに包まれた彼が、私の方へちらりと目を向けた。
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中村@受験終了！(プロフ) - えうさん» ご指摘ありがとうございます！完全に無意識で、冷や汗が流れました(;´д｀)きっと知らせて頂けなかったらあのままだったと思います。本当に有難いです。 また何かやらかしてましたら、ご指摘頂けるととてもとても助かります。本当にありがとうございました！ (2015年3月15日 10時) (
レス) id: 0d3c6b7cce (このIDを非表示/違反報告)
えう(プロフ) - 『彼だからこそ』の回で夢主が高杉に対してご苦労様と言ってますがそれは自分より目下の人間に使う言葉なので不適切では？ (2015年3月15日 5時) (レス) id: 18baf1cf97 (このIDを非表示/違反報告)
中村@3/11受験(プロフ) - 皆様コメントありがとうございます!!私には勿体無さすぎるお言葉ばかりで、恐縮しきりです(；・∀・)でも本当に嬉しいです･･！ 受験直前につき更新は亀の散歩以下のペースなのですが、出来る限りは頑張らせて頂きますので見捨てないで頂けたら幸いです(*^_^*) (2015年2月28日 10時) (レス) id: 0d3c6b7cce (このIDを非表示/違反報告)
メイビス(プロフ) - このお話、大好きです!!! 本物の小説のような書き方で夢小説ではないみたいです! これからも更新頑張ってください! (2015年2月27日 23時) (レス) id: aec4179d02 (このIDを非表示/違反報告)
ベリープリン(プロフ) - まさに文学って感じの世界観、大好きです！応援してます(｡･ω･｡) (2015年2月22日 19時) (レス) id: 73a7757a7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：中村
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nakamura_/
作成日時：2015年2月8日 22時
